めんどくさい彼女 (ページ18)

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「最近チャニョルに会いに行かないけど何かあったの？」

朝、登校途中に後ろからやって来たソナの開口一番

「いや、うん、別に何となく、かな？」

チャニョルの好きな人が気になって悩んでるなんて知られたくない
何となくソナなんじゃないかって、割と本気で思ってたりするから

チャニョルが私に向けるのはいつもダルそうで迷惑だって顔
ソナには噂のハッピーウイルスとか呼ばれてる時のキラキラした笑顔だったりする

ソナは俗に言う美人で、サバサバしてるけど逆にそこが良いって前に誰かが言っていた
背も私より高いし、チャニョルと並ぶとちょうどいい身長差
女の子が憧れる女の子

チャニョルが好きになっても不思議はない

「ねぇ、私の顔に何かついてる？」

「え？」

「難しい顔してまじまじと私のこと見てたじゃん」

「や、何でもない、ごめん」

ソナは好きな人いるのかな
もしかしてチャニョルなんじゃないか

その考えを捨てきれずにいる

このまま私がチャニョルに好意を抱いているのは何だか申し訳ない気がしてきた

だってもしソナもチャニョルを好きだとしたら
私がこんなに好きだって言い続けてるのはソナにとって辛いはずだ

いっそこんな想いには蓋をしてなかったことにした方がいい
私は好きでも付き合えないもん
ソナとチャニョルが上手くいく事の方が私にとっても喜ぶべきことじゃないか

そうやって自己完結したら
少しだけモヤモヤしたものが晴れたような気がした

チャニョルに会いに行かなくなった
連絡もまったくしていない

そしたら私たちなんて元々接点がなかったかのように
姿を見ることさえなくなった

私が会いに行かなければ会えないんだ

チャニョルは別になんとも思ってないだろう
いや、私の顔なんて見たくもなかっただろうから喜んでいるのかもしれない

休み時間や部活へ行く時
ベクは時々何か言いたそうな顔をして見てくるけれど
気付いてないフリをして何もないように振る舞う

気持ちに蓋をしたんだから
きっとすぐまた心変わりする

私はそう信じていた