ハイリスクノーリターン (ページ46)

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体内に溜まってる空気全部抜いたら
ため息もなくなるんだろうか。

パクさんの反応、
私がいて驚いてるっていうのもあるだうけど
セフンくん見て思った感覚に似てるんだよね。

自分が言ったくせに
やっぱり仕事相手が女なの気に入らないのかも。

彼らの会社の小さな会議室。
そこに通されて「どうぞ」って椅子を引かれた。

何だこのジェントルメンな対応。

セフンくんってやっぱりちょっとそういうとこある。
レディーファーストを心得てたりとか。

「ど、どうも…」

いつもジュンミョンには蔑ろにされてるし
こういうの慣れてないからむず痒い。

分かってるよ？
彼が私で遊んでるんだろうってことはさ。

でも、いくら振りはらってみても
一度着火してしまうと急には止められないもんじゃないですか。

あー、ムカつく。自分に。

着席した私の目の前にはパクさん
当然その隣にはジュンミョン……え？

何で？
ジュンミョンは私の隣に座るんじゃないの？
いや、この並び意味わからないんだけど。

大企業には不釣り合いなほど小さな会議室には
白い長テーブルと椅子が6脚。

その中には私たち4人。

向かい合って座るもんでしょここは。
何であんたがそっち座るの？
常識外れも良いとこでしょうが！

って私の常識がまるで非常識とでも言わんばかりに
隣に座ったのはセフンくん。

あんたも少しは驚きなさいよ！

「はぁ…」

ほら、また出たちゃったじゃん。

「これから話し合うのにため息つくなよ。」

何でジュンミョンに注意されなきゃならないんだ。

「はは、まぁ良いじゃないですか。
Aさんお疲れですか？
こちらから伺うべきなのに足を運んでもらっちゃってすいません。」

「え、あ、いえ…」

パクさんは私の味方なのかな。
それとも疲れてんなら帰れってことかな。

裏に隠された意味を窺っても
パクさんのキラキラな笑顔が眩しすぎてちっとも読み取れないよ。

「とりあえず始めましょうか？」

パクさん主導のもと
広げられた資料に見入る私たち。

もとい、私以外の3人。

彼らはあーでもないこーでもないと意見を出し合ってるけど
私なんてろくに資料読めてないし
口を挟める立場じゃない。

普段は口うるさいジュンミョンも真剣で
セフンくんも身を乗り出してるし
だから何か、仕事の話をしてる彼らは
ちょーっとだけ輝いて見える。