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水の月というだけあって雨ばかりの6月
所々に咲いている紫陽花が足元を紫色に染め上げる
そういえば
セフンくんと出会ったのは1年前の今頃
時間が経つのは早い
去年の今頃セフンくんに誘われて
S高の文化祭にお邪魔した
定番といえば定番のお化け屋敷の出し物のために
セフンくんは仮装していた
お化け屋敷なのに何故かドラキュラの格好だったけど
しかもそれが妙に似合っていて
セフンくんの白い肌はドラキュラのイメージそのもの
「凄い似合ってるね」
「ははっ、ありがとう」
照れ臭そうに笑うセフンくんには
吸血鬼の如く、尖った歯が付いていた
しかしそのままの格好で廊下を歩くのは
かなり浮いている
隣を歩くこっちが恥ずかしい
「何か食べたいものある？」
パンフレットを見ると
3組の出し物のところに"カフェ"と書かれているのが目に入った
「ここ」と指差すと
セフンくんは「おっけー」って手でサインした
連れてこられた3組の教室に掲げられた看板を見ると
「女装カフェ？」
「あれ？知ってたから来たかったんじゃないの？」
どうやら見落としてたらしい
でも面白そうだから、と教室のドアを開けた
中から「いらっしゃいませ〜」と語尾にハートでも付いたような声が聞こえたけど
姿は女、の格好をした、、、
「え…A…」
ジュンミョンだった
目がテンになるとはこの事か
しばらく見つめあったまま動けなくなった
向こうは顔を赤らめている
恥ずかしいんだろうけど
「な、何やってんの…？」
ようやく絞り出した声で恐る恐る問いかけた
ジュンミョンはまだ固まっている
彼の学校生活なんて、こちらから聞いたりしない限り私には全く知る由もない
当たり前だけど、女装するなんて事も今知った
当惑の表情を浮かべるジュンミョンは
なぜ私がここにいるのか、という事くらいしか読み取れない
「Aちゃん、知らなかったの？」
「え？うん」
セフンくんは意外だとでも言いたげな顔だ
「やっぱり別のところ行こう」
スタスタと来た道を引き返す
後ろから「え！待ってよ！」ってセフンくんの声が聞こえる
たぶん私がいたらジュンミョンが困るし
私も困る、反応に
ジュンミョンは気まずかったのか
その後しばらく顔を合わすことはなかった
自分の知らない学校でのジュンミョンを知ってしまって
よく分からないけど妙な気分だった
あの話題についても
未だに触れたことはない
思い出すと、少し笑えてきた
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いえろう(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きとっても気になります！楽しみに待ってます！！ (2015年12月13日 12時) (
レス) id: 543503f3fa (このIDを非表示/違反報告)
つきの(プロフ) - スホペンなんでこのお話とっても好きです！更新まってます！ (2015年10月1日 23時) (レス) id: 605b8dc09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫
| 作成日時：2015年7月10日 19時
