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あれから10年後…
16歳、高校1年生
恋したい年頃
彼氏ナシ
「ただいま〜」
玄関のドアを開けても
閑散とした家の中からは何の音も聞こえない
両親は共働きで
大体私が一番早く帰宅する
勉強は苦手
成績はいつも中の中
さして悪いわけではないけれど
特別良いわけでもない私の脳みそ
でも学校では割と真面目で通ってる
帰るとまず部屋着に着替える
そして宿題
ご飯の用意はしなくていい
その代わりきちんと勉強をしろ
これが親から課せられた私の仕事
お陰で料理は全く出来ない
元々女子力なんてものは備わっていないけれど
机に向かい数学の教科書を広げる
相変わらず私の頭ではチンプンカンプン
ただ数字が並んでいるだけ
得意科目は英語
数学はまるっきりダメなのだ
それでも真面目で通っている私は
一度も宿題を忘れたことはない
答えが合ってるかは別として
6月だというのに真夏のような暑さ
完璧にやられてしまったらしい思考回路
冷凍庫から取り出したアイスキャンディーを齧りながら
あーでもない、こーでもないと考えを巡らせる
いつの間にかアイスキャンディーは口内で溶けてなくなり
棒だけになったそれを咥えながら未だ教科書とにらめっこ
中々解けなくて
腕を上にあげて大きく伸びをした
ふと横を見ると
向こうの窓に人影があるのに気づいた
あ、帰ってきたんだ
窓をガラガラと開け放つと
それに気づいたのか向こうも窓を開けこちらを伺った
「おかえり」
「ただいま」
「ねぇ、宿題わかんない」
「またかよ」
「しょうがないでしょ、数学なんだから」
嫌な顔しながらも
結局はいつも私の部屋に来てくれて
勉強を教えてくれるのは
隣の家の幼なじみ
「ここのxは1だからそれをここに代入して〜…」
彼は頭がいい
昔からそうだけど
それをひけらかしたり、まぁ私にはすることもあるけど
基本あまりしない
小学生の時は行き帰りもいつも一緒だった
お互いの家を行き来してよく遊んでた
中学生になってからはそれも少なくなっていって
今では家庭教師でも頼まない限り
こうやって私の家に来ることもない
ガリ勉じゃないけど、その典型みたいに中学の時は生徒会の役員だったし
何となく顔もいいからモテてたらしい
彼女もいたみたい
本人から聞いたわけじゃないから定かではないけれど
「おい、聞いてんの？」
「あ、ごめん聞いてなかった」
「はぁ〜…もう教えたくない」
「ごめんってば」
「じゃあこの問題解け」
「…はい」
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いえろう(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きとっても気になります！楽しみに待ってます！！ (2015年12月13日 12時) (
レス) id: 543503f3fa (このIDを非表示/違反報告)
つきの(プロフ) - スホペンなんでこのお話とっても好きです！更新まってます！ (2015年10月1日 23時) (レス) id: 605b8dc09d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫
| 作成日時：2015年7月10日 19時
