11 ページ12
家へ帰る途中、ジュンミョンに出くわした
隣には見知らぬ女の子
目が合った気がしたけど
気にせず家路を急いだ
仲良さそうに腕を組み
本当に好き合ってる、そう思った
私とセフンくんは
周りからあぁいう風には見えてはいなかったのだろうか
部屋に入りそのままベッドへダイブした
ボスっと体を投げると
沈んだスプリングがキシキシと鳴った
家が隣同士だからといって
そう頻繁に会うこともないし
彼がどこで何をしているのかなんて
私には知る由もないし、権利もない
それはきっとお互いにそうなんだと思う
彼の恋人がどこ高校の何ちゃんで…
なんてことも、別に気にもならないから聞かない
でも自分のことは話したかった
ジュンミョンはセフンくんと同じ学校だし知り合いだから、たぶんそれだけ
もしかしたら別れたことなんてとっくに知ってるかもしれないけど
何だか瞼が重くて
そのまま目を閉じた
小さな子供が走り回っている
男の子と女の子の2人
楽しそうに笑っていたのに
いつの間にか2人は大人になり
それぞれ別の道を歩いていく
「さようなら」
「さようなら」
手を振り別れを口にして
気付くと時計は8時を回っていた
夢か…不思議な夢だったな…
両親はまだ帰っていないようで
家の中は静けさで満ちていた
携帯を手に取ると
母から『残業で遅くなる』とメッセージが残っていた
適当に冷蔵庫にあるもので何か作ろう…
いや、料理全くできないじゃん私
出かける気力もないし
味気ないけれどカップラメーメンでお腹を満たそう
そう思い階段を降りると
同時にピンポーンという音が家に鳴り響き
誰かが来たことを報せた
「はーい」
「よお」
「何か用？」
「可愛げがないな相変わらず」
ドアを開けるとお隣さんの顔がそこにはあった
「母さんが家で飯食えって」
「え？」
「おばさんから連絡あったらしくて、残業なんだろ？」
「あぁ、うん」
「どうせ料理出来なくてカップラメーメンでも食おうとしてたんだろ」
図星である
"どうせ"は余計だけど
連れられて久しぶりにやってきた隣の家
中は美味しそうな匂いが充満していて
更に食欲をそそる
「Aちゃんいらっしゃい、いっぱい食べていってね」
おばさんの優しそうな笑顔が、ジュンミョンのそれと重なる
「いただきます」
ジュンミョンと同じ食卓も
本当に久しぶりだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いえろう(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きとっても気になります！楽しみに待ってます！！ (2015年12月13日 12時) (
レス) id: 543503f3fa (このIDを非表示/違反報告)
つきの(プロフ) - スホペンなんでこのお話とっても好きです！更新まってます！ (2015年10月1日 23時) (レス) id: 605b8dc09d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雫
| 作成日時：2015年7月10日 19時
