呟き 【文豪ストレイドッグス短編集】

True End ページ31

太｢ねぇ、Aちゃん｣

｢なんでしょうか｣

グラスのカクテルが揺れる

太｢ちょっと来てくれないかい？｣

｢え、ちょ、ま｣

来てくれないかいと言ってるのに、問答無用に腕を掴まれ、外に連れていかれた

聞いた意味は…？

｢なんですか一体｣

太｢……私にしないかい｣

｢え？｣

私にしないかいとは、どうゆう意味なんだろう

なんで……

なんでそんなに頬を赤らめているのだろう

太｢私なら、君を幸せに出来る｣

｢何を言って｣

太｢君の恋は叶わない｣

言葉を遮られた

私の恋は叶わない…まさか、私が兄さんのことを好きなのを気付いてる…？

太｢ねぇ、君が好きなのだよ｣

｢もう酔ってるんですか？、からかわないでくださいよ｣

こんな状況耐えられない、私は強制終了させようと話を進める

太｢…君が織田作とキスしてるとこ、見たよ｣

思わず息を飲んだ

心当たりがあった

でも、だからなんだと言うのだ

｢だからなんですか｣

太｢…君を傷つけたくない｣

｢……｣

なんだその台詞は

まるで、まるで…

この恋の結末を、知っているような口ぶり

どうせ涙を流すなら、私にしとけということか

……そんなの、知ってる

でも、でも…

｢だからなんですか、私は、私を貫き通します、太宰さんには関係ありません｣

泣きそうだった、精一杯の強がりだった

これ以上ここにいては、この人の前で泣き顔を晒すことになる

私はBARに戻らず、そのまま家に帰った

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