mid night LOVE <SM entertainment> season ３ (ページ23)

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２３：A side ページ23

テヨン君に憧れるROOKIES(自分を平凡だと思ってる)から見たAちゃん。
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あの人はいつだって奔放だ。まるで空に舞うたんぽぽの綿毛のように自由で。けれど努力を惜しまないその後姿にきっとあの人は惹かれたんだと思う。長く伸ばした髪の毛は緩やかな川の流れのようにウェーブを描いていて、鹿のように細く長い首。水晶のように輝く大きな目はブラックホールともとれた。

「あ、久しぶりね」

練習生時代、あの人は私の4つ上の先輩でやはりいつだって上にいた。
今の私と同じ練習生期間で公開された先輩。けれど私はいつまでたっても非公開なまま。
同期が収録だと言って出かけるのを傍目に、私は練習室に籠った。

いつか見返してやる。綺麗になって、あの人の事も、私の気持ちを断った彼の事も。

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ある日、事務所の廊下であの人にすれ違った。
その時の私は一生懸命におしゃれして、初めてのテレビ収録に向かってた。
ようやく努力が実を結んで公開されたて、ネットの評判も上々だと会社の人も喜んでくれた。
うれしくて。やっとあの人と同じ土俵に立てる。

そうやって浮かれて歩いている時だった。

あの人は飾り気のないTシャツにパンツ。きっとこれから練習なのだろう。
反して私は久しぶりにスカートも履いて、少しだけ化粧もした。いつもより丁寧に髪をセットして。
なのに『平凡はいつでも平凡ですよね』って笑いだしたくなるほど滑稽で恥ずかしいと感じるくらい、

私の横を通りすがったあの人は綺麗だった。

とても、とても、

綺麗だった。

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「あ、こっちこっち！」

局のスタジオでヒナがこちらに手を振った。異国の地で頑張る彼女は同性の私の目から見ても可愛らしく、隣に立つラミは同期の中でも期待の星だった。

「どうした？元気ないじゃん」

デビューしたジェミンやジェノが久しぶりに顔を出し、一緒に飲み物を飲んでいた。
この2人はあの人が好き。世間じゃ憧れだなんて言われているけど違う。
まっすぐにあの人が大好きで、本当は心の底から求めてる。

「ううん。なんでもない」

「ふ～ん。なんか変なの。お前がそんなんじゃ調子狂うよ」

いつだって私は狂ってる。目立たない後輩A、それが私。