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8:school side JUNGKOOK ページ8

「おはよ」

「おはよう」


伸びた前髪を鬱陶しそうにかき上げ、彼女は再び机の上でうずくまった。
僕が彼女と同じ仕草をとると、悪戯っぽく笑い目を閉じた。


アイドルなんて、偶然に任せた仕事を生業としている僕らは、
バカみたいに理想の中で生きなければならなかった。

ファンが投影する鮮やかな毎日の中で生き、暗闇など
とうの昔に忘れたようにふるまう事が、絶対とされている世界だ。

なんて、バカらしく、わがままな世界なんだろう。







「授業、サボって良いのかよ」

「良いのよ、別に」


屋上に上がると、あれほど大きいと思っていた街もビルも小さく感じる。
きっと、その中に生きる僕たちはそれ以上に小さいのだろう。


「グクこそ、良いの?怒られちゃうよ」

「だーかーら。その言葉、そっくりそのままお前に返すよ」

「だね」


端正な横顔はどこかガラス細工のようにもろく、一握りで壊せてしまいそう。
そんなAは黄色いジャケットを脱ぐと、それを風になびかせた。


「学校も、仕事も、辞めてやろうか」


明るい声色で話す内容ではない。
そしてその声色から、いかに彼女がドロドロした世界で暮らしてきたか感じ取れる。


「出来ればそうしたいよ」


縛られた羽を自由にして、のびのび暮らしたい。

でも子供な僕たちにそこまでの行動力はなく、
僕は親の為に、彼女は兄の為に、この世界にいなければならない。

それが親孝行のカタチであり、兄を支える為のカタチでもある。


「グク、明日遊びに行こうよ」

「うん。俺はいいけど、変な噂たっても知らないぞ」

「気にしなわよ。そんなの」


彼女はのびのびと笑い、ジャケットを羽織るとこちらを向いた。


「約束、よ」

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Sin-B(プロフ) - せぶちはあじゅNICEでやられました(笑)皆さん美しく育ちすぎです!更新頑張ります!! (2016年7月8日 6時) (レス) id: ffbbad4d3b (このIDを非表示/違反報告)
SayaYmds(プロフ) - seventeen大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください! (2016年7月7日 20時) (レス) id: 0fd02da37b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すいみー | 作成日時:2016年6月20日 20時

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