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番台近くのベンチ椅子に座り
フルーツ牛乳を飲む淳太


「淳太、それ100万」


「なんでそんなぼったくんねん」



そう言って、120円を渡してきた
きちんとレジにしまう。






もう、24:30を過ぎる
この時間は誰も来ん。



「あれ、今日はのんびりしてくん?」


「おん、本あと数ページなん」



鞄から小説を取り出し読み始める淳太を横目に
俺はパソコンを開いて原稿を打ち始めた




「あ、そや、明日弟の迎え行かんと…」


「弟くん元気ー?」


「元気やで」


淳太は弟とだいぶ年が離れていて、確か年長さんやった気がした




「仕事終わってから迎え?」


「そやで。明日は早めに帰る日やから、18時前には迎えやな。忘れんようにせんと」



携帯を開いて打ち込む
多分リマインダーでも設定しとるんやないかな







「照史先生おるやろか」


「おるだろなぁ。だって弟の担任やろ?」


「まあな」




俯きながらも少し嬉しそうな顔をする。





「…告白とかせえへんの」


「……せんわ。向こうからしたら、ただの担当してる子の兄なだけやで?」


叶うわけないやろ
って。
会えるってだけでそんな楽しみな顔するなら、言ってみろやって思ってしまうのは、恋愛小説の見すぎやろか。






「って、あれ、その本先週も読んでなかった?」


「ん、ああ、今週忙しくて全然読み終わらんかったんよ。
朱天先生が新刊出したから、はよそっちに移りたくてな。ここで読み切ろ思て」






淳太は幅広く、色々なジャンルを読む。
SFに恋愛、ミステリー
好きな先生は決まってるみたいやけど



なんやったっけ、
SFは天宮先生、恋愛は朱天先生、ミステリーは黄瑞先生だったか…?
1度皆さん会ったことあるが、とても優しい人やったなぁ




会ったことある言うたら、なんで!?と凄い聞かれそうやから言わんけど笑









こちらに向いていた視線を手元の小説へ戻した。

そこから、すっと静かになる




……集中するん早いなぁ…









邪魔をせんように、踵の音を鳴らさないようつま先でゆっくり歩いて入口に向かう。





もう誰もこないから
今日は早めに店仕舞い



表の『ゆ』暖簾を外して中に入れた。








番台に戻ってパソコンの

『そして、彼らは____』


中途半端な文章の続きを綴り始めた。









「しげ?ありがとうな、俺帰るで」





そう淳太に声掛けられるまで
俺も集中してしまっていたみたい。

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作者名:ターコイズ | 作成日時:2020年7月3日 11時

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