11 ページ11
「いい湯だなーアハハン」
「ありがとうございましたー」
「コーラください」
「はいよ」
肩まで捲られて見える腕、1か月前よりはるかに筋肉がついている
「相変わらず、筋肉マンやな」
「集中して鍛えてるわけやないですけど、常に動かしてるんでついてってるんだと思います」
「ほへー」
「惚れちゃいました?俺に」
「…アホちゃうの」
へへって笑いながらコーラを一気に飲む。
腰に手を当ててよく見る格好で飲んでるけど、炭酸そんなんで飲んでよう噎せないな?
俺、あれダメなんよな…
「よし、じゃあやっていきやしょー!」
「おん、いつもほんまありがとな」
「ええんですって、俺がやりたくてやっているので」
そういって、ブラシやバケツにスポンジなど掃除道具をもって、こっちやりますね、と男湯の方に入っていった。
自分も表の暖簾を下ろして、鍵を閉めて
下駄箱を1つずつ確認。
誰もいないことを確かめてから、掃除道具をもって女湯の方に入って掃除を始めた。
「終わりました、これ忘れ物…」
「あちゃ、その手ぬぐい多分、佐藤さんのや」
1時間過ぎた頃、もろもろが終わって番台の近くで合流。佐藤さん、ようロッカーに忘れていくんよなあ
忘れ物を受け取って、ひと息ついた頃
「これ、今日の分な。ありがとうございました 」
裸で渡すのも嫌やから、とポチ袋に入れて今日の分のバイト代を渡す。
…いや、成人した男に、ポチ袋もどうやんかって感じやけどな笑
「…毎回ありがとうございます」
「こちらこそやで。」
受け取ってくれたことを確認して財布をカバンにもどした。
「あの」
さあ、帰ろかーって鞄を肩にかけた時
小瀧に呼び止められる。
「なん」
「…ちゃんと考えてもらえましたか」
「…あー……」
これが少し困ること。
「俺が重岡さんのこと好きって言ったの覚えてますか」
これ
「覚えとるよ…」
「……またくるんで。待ってるので、返事ください」
そう言い逃げするように小瀧は裏口から帰って行った。
「っ…はあー…」
イケメンずっこいわ
揺らぐ
576人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ターコイズ | 作成日時:2020年7月3日 11時