おいで、一緒に暮らそう。2

夏 ページ13

「淳太ぁ！！」

「淳太くん！」




じめじめと、汗ばむような時期になった。
もう、会社はクールビズを取り入れている


家に帰ると、蚊取り線香の匂いがして夏を感じた。そして｢おかえり｣の後の騒がしい2人の声。




「なんやねん、そんなん騒いで」




手を洗っている俺を、洗面所まで迎えに来た照史に手を引かれご飯が並ぶテーブルまで連れてこられる。



「うまそ」


「そやねん、今日は天麩羅うまく揚げられたん！って、そこやない！」




ほんま元気やな…
暑くなり始めて夏バテ対策に、今日の晩御飯は天麩羅蕎麦、うまっそうやなぁ




「ちゃう！聞いて淳太くん！！」


「なによ」


「ほれ！望！」


「ん！あんな、俺レギュラーなったん」




いただきます、と合わせた手を思わず下ろす



「まじか！」

「まじやで！」




週4日、練習があって汗だくになって帰って来てもベランダでずっとボールに触り頑張っている望を見ていた。
レギュラーになるなんて、簡単なものじゃない、ましてや皆より少し遅れて入った望は、
きっと凄く頑張っていた



「おめでとうな！！」

「おおきに！」


ニコッと笑い親指を立てる
全力で頭を撫でたった



「んじゃあ、ゲームとかにも出るん？」


「おん、出させてもらえる」



それは絶対に応援に行かんと。



「いつくらい？」


「夏にあるで！」





あと１ヶ月程で望の高校は夏休みに入る。
その時くらいやろか
俺も休み取れるかなぁ、楽しみやな





「もうちょい、技術磨かんとなぁ…」


「熱中症だけは、気をつけるんよ」


「スポドリ、凍らせて持ってかせるかな」




夏っぽいやろ、と照史が買ってきた薄桃色の風鈴がチリンとなる。


もうすぐ夏がやってくる。









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※作者より→←蹴

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