おいで、一緒に暮らそう。2

番外編(緑) ページ39

「おはようございます、お願いしまーす」



行きつけの美容室。
7月1日。例年より遅く突入した梅雨は、昨日まで猛威を振るっていたけど
自分が生まれた日をお祝いしてくれているのか、今日は晴れの予報




ルンルンで案内された椅子に座り、鏡の前に携帯を置きシャンプーを待っていると
横にすらりと金髪を揺らすお兄さんが立った。



「お久しぶりです、シャンプー行きましょうか
」




そう言われシャンプー台に移動する。
椅子をぐいーっと倒され
失礼致します、と紙が乗せられた。



「久しぶりっすね」


「なかなか指名取れないからね、君のが忙しいから」


「えー、神山さんならいつでもウェルカムなのに」


「ふは、ありがとう」



まだ修行中だというのに若くもセンスのあるお兄さんは人気で
でも今日は朝イチだったのとキャンセルが出て指名をとることが出来た。


「熱くないですか？」

「大丈夫です」



手つきが本当に気持ちよくて、うとうとしそう。



「何だかソワソワしてます？」


「あ、わかる？
今日は友達たちに会うんだあ｣


今日は淳太くんにお家にお呼ばれされている
照史くんがご飯を作って、のんちゃんがお祝いしてくれるらしい
『会いたい！』って言ってくれてるみたい。


OPENの10時から予約していた美容室でのシャンプーとカラーとカットは11:30には終了した


「楽しんできてください」


「朝早くから、ありがとうございました」



お会計をして、自分の好きなお店のクッキーを買う。手ぶらでは行きたくないし、のんちゃんが美味しそうに食べてくれるから、つい







ピンポーン

約束の12:30より少しだけ早め。
「どうぞー」
何度かお邪魔した事のある玄関をくぐり抜け
廊下を真っ直ぐ、正面のリビングに続く扉を開ける







パンパンパンパーン！！！



「おめでとうー！！」



クラッカーから紙吹雪が飛ぶ


「神ちゃん！おめでとう！いらっしゃい！」


「モンチ来たなー！ちゃんと好きな甘い物も用意してあるで」


「神ちゃん、おめでとうな。座って座って」



3人に背中を押され、誕生日席のように置かれた椅子に腰掛ける。

目の前には小さめで、たくさん重なったハンバーグや




「モンチの美味しさには負けるんやけどね」




と言いながら照史特製の唐揚げ、
沢山のご馳走が広がる。

番外編2→←始

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す