説 ページ23
黄side
「淳太ぁ…」
「淳太くん！！」
わぁ、デジャブ。
つい1ヶ月程前も、そうやって迎えられた気がする。
けど、今回は何故だか望だけ泣きそうな声。
「…どうしたんよ」
あの日と同じように、手を洗ってうがいして
洗面所からテーブルに向かった。
今日はまだ食卓に食事は並べられていなくて、なんでだろう。
「聞いて、望がな。」
照史は少し怒っている模様。
望は俯いてしまっている。
怒りながらも、ちゃんと自分で言うと2人で約束したのか
口を開いたのは望。
「…バイト始めた…」
「は？」
反射的に出た大きい声
バイト自体は反対せんけど、あまりにも突然で驚いた。面接とかじゃなくて、もう決まったって事やろ？
ぷんすかしていたのは、この事か。
「…どういう所で始めたん？」
「個人で写真とか撮っている所…」
個人経営か…うーん
「変な聞き方になるんやけど、そこちゃんとしてるか？」
給料とか、それこそ銀行振込でなんかカードの番号とか聞かれてないならええねんけども。
「週2日、時給は1000円。給料は手渡しだって言ってた。」
「そうか…」
少し不安やけど、聞くと契約書とかも制作してくれたとか…
「うーん」
少ししょんぼりしている望を横目に、照史は立ち上がって晩御飯の準備をしに台所に入っていった。
「…照史」
「たぶん、照史も急でびっくりしたんやと思うで。後でもう1回、こういう所だからって話すようにしなよ？」
「おん」
きっと、この照史にちゃんと言ってからにして欲しかったとか、説教されたと思うから
俺は聞いて背中支えるだけかな
「…まあ、望が決めたことやろ？
ただ、何かあったり気がかりなことあったら
直ぐに相談すること。辞めてきてもいい。」
わかった？と問うと、うん、と頷いた。
それを見て、ぱっと明るめの声で他のことを聞いてみる。
「写真撮ってる言うてたね、どんなん撮ってるん？」
「あ、あんな、風景写真が多かったで
それこそ、淳太がよく読む『1ヶ月生きた蝉。』の表紙もその人が撮った写真らしいで！」
…え？
それを聞いて、思わず本を近くの鞄から取り出す。
「この表紙の？」
「うん」
…マジか…
「そ、そか！凄い有名なんやな」
「そうみたいやで、美術の教科書にも載ったことあったりするらしい！」
「そうなんや…」
…まじかあ…
世間って狭いんやな…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 492人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ターコイズ(プロフ) - 蘰さん» 蘰様、ありがとうございます！また覗いてやってください、これからも宜しくお願いします (2020年7月3日 12時) (
レス) id: f5621defff (このIDを非表示/違反報告)
蘰(プロフ) - ご返信ありがとうございます。そうなんですね。ずっと拝読させていただいていてそういえば。。と思ったので思い違いでなくて良かったです。何時までもお待ちしていますので、ご自分のペースで無理なく執筆していただけたらと思います。 (2020年7月2日 23時) (レス) id: c3543fb139 (このIDを非表示/違反報告)
ターコイズ(プロフ) - 蘰さん» 蘰様、はじめまして。まだ出てきてないんです…。実はしげが1番のんびり出てくるので、気長に待ってて頂けたらと思います<(_ _)> (2020年7月2日 23時) (レス) id: f5621defff (このIDを非表示/違反報告)
蘰(プロフ) - はじめまして。見逃し出したら申し訳ないのですが、しげさんってもうでてきましたか？ (2020年7月2日 13時) (レス) id: c3543fb139 (このIDを非表示/違反報告)
ターコイズ(プロフ) - みずほさん» みずほ様、コメントありがとうございます！弟さん、高身長ですね！すごい！励みになります、ありがとうございます！また覗きに来てください(o^^o) (2020年5月22日 17時) (レス) id: dd19ecb6aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ターコイズ | 作成日時：2020年5月15日 22時
