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じゅうく ページ20

「え、春ちゃ、」



バタン
ドアの音が部屋に鳴り響く

怒らせた。そう思った。


なんで怒ったんだ、何か悪いことをした記憶もない。
ただ蘭ちゃんの話をしただけじゃん


蘭ちゃんの話を、、しただけ




あたしは悪くない。本当に愛してるのは春ちゃんだけだから、本当だから、うん。




苦しかった。それから逃れるために床に散らばる錠剤をひとつ口に運ぶ。


口の中で溶けたそれは私の意識を途切れさせた






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「朝か、」





いつもより静かな朝が訪れた





床で寝たためか身体中がいたいなぁ、頭も痛い




でも、それより春ちゃんが家を出ていって気持ちの切り替えがつかない。
このまま別れてしまうのではという不安に駆られる。







プルルルル

仕事用のスマホから着信音が聞こえる
いつもなら気にならない音が大きく感じられた




「なに、」






『大変です!副代表が裏切っています!』


「は?」






一瞬にして目が覚め、体のいたみも気にならなくなった。


1番の古株であるあいつが裏切り?
そんなことがあっていいのか、

一瞬の静寂に包まれた部屋では時計の音がいつもより大きく感じられた


非常にまずいことになった






『副代表が関わって代表が目を通した資料全てが改ざんされていました、』







あたしが営む情報屋は平たくいえば会社のような仕組みである。


個人の情報屋を雇い、情報を集める。それがピラミッド型に連鎖する。そういう会社だ。



そのピラミッドの大切なブロックが裏切った。
それも副代表。あまりに多くの情報を持ちすぎている。

しかも改ざんとまで来たもんだ。



信憑性がガタ落ちする。情報屋は信憑性が命だ。







「それで、あいつは?」


『……逃亡しました。』








「見つけ次第処分しろ。絶対生かすな」





そうして電話を切る
自分でも驚くほどの低い声。




部屋に置いてある資料を全て引き出し、あいつが関与した情報を漁る。



そこにあったのは春ちゃんと蘭ちゃんが今日行う仕事の資料。



最悪の事態が頭によぎった。




資料と一緒に付いていたUSBをパソコンに刺し、読み込む。



改ざんされる前の資料に復元する。
そこに書いてあったのは2人の乗る車のドライバーと副代表のつながりと暗殺計画について。





気づけば自分は走り出していた

にじゅう→←じゅうはち



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うさ - くっっそ…大好きだぁぁぁぁ!! (3月31日 18時) (レス) @page24 id: 4170d6f2b7 (このIDを非表示/違反報告)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 春ちゃん、結婚しようか((作者様ありがとおおおお (11月30日 5時) (レス) @page24 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナツこんばんは - コメントありがとうございます。好きと言ってもらえてとても嬉しいです。これからもご愛読よろしくお願いします。 (2021年11月12日 22時) (レス) id: e404eb8dd9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!!!! (2021年11月9日 2時) (レス) @page16 id: b821776774 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナツこんばんは - コメントありがとうございます。春千夜くんの笑顔は凶器ですよ。 (2021年11月1日 22時) (レス) id: e404eb8dd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピーナツこんばんは | 作成日時:2021年10月11日 21時

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