孤爪研磨 ページ19
全校集会。
冷たい体育館の床に長時間座り、一斉起立をしてはまた座る。
急に態勢を変えることから突然の出血も起こるし、
下半身が冷えることから痛みも増す。
それでも何とか食らいついて会は終わった。
教室に戻ろうと立ち上がるが…
「ぅ、わ…」
ぐらりと傾いだ視界。
倒れる、衝撃に備えて身体を硬くした。
.
とすっ
「…大丈夫?」
「え、あ…」
腰に回った腕とじっと見つめる猫目。
何が起きてるのかわからなかった。
ぼけっとしてる間にもプリン頭の彼は何か動いていた。
ぱさっ
ふわりと甘い匂いと共に温かさが肩に乗った。
「これ着といていいよ。顔色悪いし保健室行く?」
男子用のブレザーを羽織っていた。
保健室…保健室は行っても意味ないかなあ…
ずきん
「っ?!」
強い痛みに思わず座り込んだ。
痛い、痛い、痛い。
毎月の事とは言え、この痛みになれることはない。
「うぁ?!」
不意に浮遊感。
え、なに?
目の前には彼の顔。
「暴れないで。
あの、アレでしょ?
とりあえず保健室連れてくよ。」
耳元で低く囁く声は安心させるくせに
心臓の音を早めさせる。
いつも気だるげな彼がこんなにも頼れるなんて知らなかった。
こんなのもう惚れちゃうでしょ。
意外な彼の一面が見れるから、生理も悪くないかな、なんてね。
.
【え、なんでアレってわかるんですか?】
【お腹の下の方が痛いみたいだったし、貧血っぽかったから…】
【助けてくれてありがとうございます。】
【ん、しんどかったらまた言って?】
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イナゴの佃煮(プロフ) - 瑠璃葉さん» 瑠璃葉さんお久しぶりです!しんどくなったときの妄想をそのまま書き綴っていますのでそう言っていただけると嬉しいです!お互い辛い時は妄想で乗り切りましょ!! (2019年4月25日 17時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃葉(プロフ) - この作品、すごく素敵だと思いました。なってるときに見ると余計にそう思います。素敵な作品をありがとうございます! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 341178e5e0 (このIDを非表示/違反報告)
イナゴの佃煮(プロフ) - 里紗さん» すみません!!ご指摘ありがとうございます!!すぐに直します! (2018年6月10日 18時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
里紗 - 夜久さんの名前は衛輔だとおもいます (2018年6月10日 12時) (レス) id: 3698aeb15e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イナゴの佃煮 | 作成日時:2017年11月15日 20時