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赤葦京治 ページ18

布団を剥いで上体を起こした。


下腹部に鈍い痛みと下半身にどろりとした不快感。


隣の布団で眠る幼馴染を起こさないように小さく溜息をつく。






不意に襲う強い痛みに顔をしかめた。





「…A?早く寝な。」


起きてしまったのだろう京治が寝ぼけ声で囁いた。


「うん、ごめんね。」



眠れる気はしないが返事をして謝る。


お腹を摩るがイマイチ効果はない。


心なしか寒い気もする。







そっと布団を抜け出そうとすると遂に京治が体を起こした。




「どうした?寝れない?」



心配そうに訊ねてくれる京治は昔から変わらず優しい。



大丈夫と笑いかけるが少し怒った顔をされた。



「体調悪いのか。ったく、隠すな。」




なんでバレたんだ…


そういえば嘘つくといつも見破られていた。


京治が自分の布団を軽く上げてスペースを作り、
こっちで寝ろ、と言う。



が、ここで行くわけにもいかない。



リスクがでかすぎる。



断ると腕を引っ張られ無理やり引きこまれた。



嫌だと踠くが力で勝てるわけがない。



せめて血が漏れないように態勢を変えたい。




「け、じ…おねがい、ちょっとうでゆるめて。」


「逃げない?」


「にげない、やくそく。」


渋々緩められた腕。


仰向けに態勢を変えると怪訝そうな顔を向けられた。




「A、横向かないと寝られないでしょ?」



「今生理だから横向いたら漏れちゃう。
だから本当は一緒に寝たくない。」



「汚していいよ。でもちゃんと寝て。」



横向きにされ、腕枕をされ、頭を撫でられ、腰を撫でられ、抱きしめられる。


安心する体温と匂い。


勝手に瞼が落ちてきた。







ああもう君はいつの間にこんなカッコよくなってたの。



どれだけ私を夢中にさせたら気がすむの。









.









【いつの間にタオル敷いてあったの…】
【Aが生理なのは気づいてたし、俺の布団に入れる前に敷いといた。】
【ほんとすごいね、京治は…】
【Aにだけだよ。】

孤爪研磨→←夜久衛輔



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イナゴの佃煮(プロフ) - 瑠璃葉さん» 瑠璃葉さんお久しぶりです!しんどくなったときの妄想をそのまま書き綴っていますのでそう言っていただけると嬉しいです!お互い辛い時は妄想で乗り切りましょ!! (2019年4月25日 17時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃葉(プロフ) - この作品、すごく素敵だと思いました。なってるときに見ると余計にそう思います。素敵な作品をありがとうございます! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 341178e5e0 (このIDを非表示/違反報告)
イナゴの佃煮(プロフ) - 里紗さん» すみません!!ご指摘ありがとうございます!!すぐに直します! (2018年6月10日 18時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
里紗 - 夜久さんの名前は衛輔だとおもいます (2018年6月10日 12時) (レス) id: 3698aeb15e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イナゴの佃煮 | 作成日時:2017年11月15日 20時

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