岩泉一 ページ16
部屋で寛いでいると一が入ってきて
私を見るなり目を大きく見開いた。
なんだろう?
「どこか怪我してんのか?!病院行くぞ!」
「は?!怪我なんてしてないよ!」
いきなり抱き上げようとするハジメから何とか逃げる。
「暴れんな!余計血が出たらどうすんだよ!」
「は?!血なんて出てな…」
自分の体を見下ろして目に飛び込んだのは
赤黒い染みのついた座布団。
やばい、洗わないと。
「こんなに血出て大丈夫なのか?!」
一が焦った顔で訊ねてくる。
一、こういうの疎いでしょ、てか生理知ってる?
「ごめん、今日はちょっとダメだから帰って。」
「やっぱダメじゃねえか!早く病院行くぞ!」
一を家に帰そう作戦は失敗。
更に病院に連れて行こうとしてくる。
なんでこういうときに限ってアホ川がいないの…
「一回落ち着こう。とりあえず座って待ってて。」
ショーツ変えてナプキンつけたいから。
「俺もついてく!
1人で途中何かあったらどうする!?」
「生理だから病院いらないの!!」
しん、と静まり返った部屋。
今私何言った?
ハジメは目が点だし。
「あ、わり…あの、なんか、俺にできることあれば言ってくれ…」
先に沈黙を破ったのは真っ赤な顔の一だった。
赤面が感染ったようで顔が熱を持ち始める。
「うん…」
微妙な空気から逃げるように部屋を出た。
戻ってくると汚れた座布団は片付けられて、
顔が赤いままの一がベッドに座っていた。
「えっと…ビックリしたでしょ。
変なの見せてごめん。」
「謝んなよ。
だって普通のことだし、
Aが悪いわけじゃねえだろ。
俺こそ、及川みたく、こう…なんか…サッてやれなくて悪い…」
あのハジメがもごもごと歯切れ悪く話すのが
少し面白くて笑ってしまった。
「ハジメのそういうとこ、好きだよ。
確かにちょっと焦りすぎだったけど
それだけ心配してくれたってことだもんね。」
抱き寄せられて、一の膝に向き合うように座らせられた。
「なにー?」
「子供産むのにこんな前から大変な思いさせて
俺が変わってやれないの、歯痒いっつーか…
あんま気ぃ効かねえかもだけど頼ってほしい。」
「ハジメの元気な子供産むために頑張ります…」
「おう、ありがとな。」
生理は照れるのになんでこれは照れないの…
私の彼氏は照れ屋で漢前で優しい自慢の彼氏です。
.
【男の子と女の子どっちがいい?】
【男。女だと叱れなくなりそう。】
【目に浮かぶわ。】
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イナゴの佃煮(プロフ) - 瑠璃葉さん» 瑠璃葉さんお久しぶりです!しんどくなったときの妄想をそのまま書き綴っていますのでそう言っていただけると嬉しいです!お互い辛い時は妄想で乗り切りましょ!! (2019年4月25日 17時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃葉(プロフ) - この作品、すごく素敵だと思いました。なってるときに見ると余計にそう思います。素敵な作品をありがとうございます! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 341178e5e0 (このIDを非表示/違反報告)
イナゴの佃煮(プロフ) - 里紗さん» すみません!!ご指摘ありがとうございます!!すぐに直します! (2018年6月10日 18時) (レス) id: 0b6026706d (このIDを非表示/違反報告)
里紗 - 夜久さんの名前は衛輔だとおもいます (2018年6月10日 12時) (レス) id: 3698aeb15e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イナゴの佃煮 | 作成日時:2017年11月15日 20時