弐 ページ7
私には善逸君に加勢する勇気も、獪岳さん側につく勇気もない、あんなに尊敬して、追いかけてきたあの人の首を斬るだなんて、私にはできるはずがない。
だが、鬼殺隊士としては、相手が誰であれ鬼である以上斬らなければならない。
鬼という存在は私の家族の仇。または誰かの仇。決して赦してはいけない。
分かっている。
だが、少し前まで私が必死に追いかけて来た人が、鬼になっていた時、どうすればいい。
分からない。
そんな葛藤に苛まれ、私は何をしたら良いのか分からなくなってしまった。
血が足りていないのか、私の思考力はどんどん落ちているのも分かってはいる。だが、それにしたって私には決断が出来ない。
ブルブルと震える体を押さえ込み、何とかもう一度上を見上げる。
「！？」
____途端、善逸君が落下してきた。
善逸君は空中で落下しながらも体を捻り、壁に足をつける。
シィィィと、雷の呼吸の使い手特有の呼吸音が聞こえて来たその瞬間、善逸君が何をしようとしているのかを漠然と理解してしまい、慌てて震える口を動かす。
「や、やめ___」
こんな私ごときの言葉で、彼の動きを止められるとは分からないが、縋らずには居られなかった。
言い終わるか終わらないか、彼の姿は見えなくなり、一拍遅れて私の頭上から、善逸君らしい雷の音が聞こえてくる。
見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない。
見てしまった。
彼の首はもう、胴に繋がっていなかった。
「あ゛あ゛……あああぁぁぁ゛！！！！」
私は、もう何も考えられなくなっていた。善逸君が彼の首を斬った途端、私の思考力も切られた。
見知らぬ隊士が善逸君を回収して行くのを尻目に私は躊躇なく部屋を飛び降り、まだ原型の残る彼の首を壊れ物を扱うように優しく、壊さぬように両手で抱え込む。
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�桟鈬�(プロフ) - リリィなモモさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！そうですね、獪岳が幸せになる世界線が欲しいですね… (7月15日 14時) (
レス) @page10 id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - うあぁぁ！めちゃくちゃ良かったです！ほんとに獪岳は救いがないので少しでも幸せになってほしいですね… (7月15日 2時) (レス) @page10 id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
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