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肆ノ型 遠雷
「＿＿＿この程度の鬼にも対応できねえのかよ」
雷鳴が響いた。
私が苦戦しながらも対峙していた鬼が一瞬のうちに消えていく。
ハラハラと消えていく鬼の最後の悪態を他所に、私は彼の背中から目を離せないでいた。
チカチカと脳裏に焼き付くほど眩い黒い閃光は、いとも簡単に私の目を奪う。
私のような少し細い雷なんかとは全くの別物だった。まさに雷神の如く雷を扱う。
己と同じ呼吸、技であるはずなのになんと美しく強いことか。
自分ではどんなに努力してもたどり着けないような、そんな剣さばきだった。
「全然大した事ねえじゃねえか。お前よく今まで生きてきたな」
私のことを心配してなのか、呆れてなのか、そんな言葉を発しながら血振りをし、振り向く彼を見た途端、また雷鳴の音がした気がした。
彼の視線が私に集中した途端動悸が止まらない。
慌てて自分の胸に手を添える。病気なのかなんなのか分からないが、とりあえず先程の礼を言わなければと、彼に視線を戻す。
「あ、あの、ありがとうございました！あなたは命の恩人です。雷の呼吸も、見た事ないほど綺麗でした」
良ければ名前を教えてください！とせがんでみると、案外あっさりと返事が返ってきた。
「__獪岳だ」
漆 ページ2
最終選別を突破したはいいものの、特に剣術に才能がなかった私は、一向に階級も上げれぬままのらりくらりと任務をこなしていた。
こなしていたと言っても大半が大怪我をして帰ってきていたので治療を受けていた時期の方が長い。
それほど私には才能がなかったのだ。
一応私の使う雷の呼吸には適正もあったし、しっかりと刀身にも色はついた。
だが適正があっただけ。
仏は私に剣術の才能はくれなかったようだ。
最初こそは神仏を恨んだりもした。
何故家族を殺した仇を取る方法をくれなかったのかと。
私だって私を助けてくれた鬼殺隊員のように、誰かを助けたかった。仇を取りたかった。
だがどんなに祈っても剣術の才に目覚める訳では無い。
鬼殺隊に入って1年も経てば、もう諦めて自分にできることをしていた。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
「＿＿＿この程度の鬼にも対応できねえのかよ」
雷鳴が響いた。
私が苦戦しながらも対峙していた鬼が一瞬のうちに消えていく。
ハラハラと消えていく鬼の最後の悪態を他所に、私は彼の背中から目を離せないでいた。
チカチカと脳裏に焼き付くほど眩い黒い閃光は、いとも簡単に私の目を奪う。
私のような少し細い雷なんかとは全くの別物だった。まさに雷神の如く雷を扱う。
己と同じ呼吸、技であるはずなのになんと美しく強いことか。
自分ではどんなに努力してもたどり着けないような、そんな剣さばきだった。
「全然大した事ねえじゃねえか。お前よく今まで生きてきたな」
私のことを心配してなのか、呆れてなのか、そんな言葉を発しながら血振りをし、振り向く彼を見た途端、また雷鳴の音がした気がした。
彼の視線が私に集中した途端動悸が止まらない。
慌てて自分の胸に手を添える。病気なのかなんなのか分からないが、とりあえず先程の礼を言わなければと、彼に視線を戻す。
「あ、あの、ありがとうございました！あなたは命の恩人です。雷の呼吸も、見た事ないほど綺麗でした」
良ければ名前を教えてください！とせがんでみると、案外あっさりと返事が返ってきた。
「__獪岳だ」
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�桟鈬�(プロフ) - リリィなモモさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！そうですね、獪岳が幸せになる世界線が欲しいですね… (7月15日 14時) (
レス) @page10 id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィなモモ(プロフ) - うあぁぁ！めちゃくちゃ良かったです！ほんとに獪岳は救いがないので少しでも幸せになってほしいですね… (7月15日 2時) (レス) @page10 id: e604e437d5 (このIDを非表示/違反報告)
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