泣きそうな彼女 ページ40
空閑side
美味い
本当に桜嵐院が作ったんだな、スゲぇ
貴 「っ」
桜嵐院、泣きそうなのか?
空閑 「大丈夫か?」
貴 「うん、大丈夫だよ、うん・・・
大丈夫、大丈夫
よしっ」
桜嵐院は自分に暗示を掛けるようにい『大丈夫』だと二回繰り返した。
・・・いつもこうやって暗示を掛けてるのか?
空閑 「・・・もっと誰かに頼っても良いんじゃないか?」
貴 「あははっ、出来たら苦労しないよ」
桜嵐院は困ったように笑ったが直ぐに俺にお礼を言った。
貴 「さっ、食べよ。今日の一番のお薦めは鮭の味噌汁、那雪、鮭の味噌汁二つ取って」
何事もなかったかの様に笑うんだな、流石役者と言ったところか?
けど俺は頼ってほしい
何でだろうな
貴 「空閑は、今楽しい?」
空閑 「桜嵐院は楽しくないのか?」
Aは目を伏せて首を横に振った。
貴 「楽しい・・・でも凄い楽しいから・・・」
ん?
空閑 「桜嵐院?」
貴 「なんだろう、言葉に出来ないや」
俺はもっと此奴に楽しそうに笑ってほしい、こんな悲しい笑みじゃなくて
貴 「あー止めよ、まあ空閑も人生楽しみなよ、こんな縛られた世界でも少しは楽しめるんだからさ。あ、私のことはAで呼んで、長いでしょ」
鮭の味噌汁を飲む桜嵐院・・・Aはさっきの雰囲気は全く感じられなかった。
空閑 「Aは、『最高の仲間達と共に』って言ったよな、こうなることを分かってたのか?」
貴 「・・・私はそこまで視野が広くないよ、でも、楽しいでしょ?」
空閑 「っ!///」
ニヤッと色っぽく笑うAに俺は見惚れていた。
空閑 「嗚呼・・・」
それからAは星谷達が話し掛けてくると楽しそうに話して食べていた。
だがほとんどが自分から話し掛けず話し掛けられたら話していた。
だが楽しそうに笑うAは好きだ。
貴 「空閑?、どうしたの?」
俺は食器を洗うAの元に用件を言いに行った。
空閑 「今日はありがとな、美味かった」
貴 「ううん、私が言い出したことだから」
俺とAの間に沈黙が走った。
空閑 「Aは__」
貴 「今度バイク乗せてよ」
貴 「い、いやね、徒歩だと面倒だけど電車で行くのも大袈裟で困ってたんだよねぇ」
ふいっと目を逸らすAに俺は真意が見えた。
空閑 「いつだ?」
パァっと表情を明るくさせたAに俺はまた顔を赤くさせた。
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作者名:黒芹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=huzisamaLOVE26
作成日時:2015年3月26日 23時