沢山の好きのただ一つを探して (ページ33)

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何度だって引っ張り上げるよページ33

貴「ど、して・・・早く行かなきゃHR遅れるよ」

辰己「待って、さっき言っていた皆って俺達のことだよね？、ちゃんと言って

Aが教えてくれなきゃ分からない様に俺達だって言ってくれなきゃ分からないよ」

Aは辰己達の目を見るとその真っ直ぐな瞳にAは怖くなってたじろぐと推しに負け重たい喉に鍔を通して再び喉が重くならない内に口を開いた。

貴「皆の後ろ姿見たら私の入る場所なんて何処にもないんだって思えて、離れていってほしくないって

そう思ったけど私は自分の気持ちを口に出すのが苦手で何も言えなくてっ」

ドサッ

Aは崩れ落ちると辰己達は駆け寄ってきて申渡はハンカチで涙を拭いてくれて辰己は背中を擦ってくれていた。

貴「何も言えないまま過ごしていたらどんどん皆と仲間じゃなくなっていってる気がして怖くてっ

どんどん皆の気持ちも自分の気持ちすらも分からなくなってきてっ

私、皆のこと信じることが出来て仲間になれたのになぁ」

戌峰「Aは僕達の仲間だよ！」

Aが全てを諦め絶望し掛けると戌峰はAの肩を掴んで強く揺らした。

虎石「Aって不安症だよな」

卯川「そうそう、時々子供っぽいんだよね」

申渡「Aさんはもっと主張して下さい、私にそうしろと言った様に。そうすれば私達が気付かないことも気付けて引っ張り上げられます

私達ももっとAさんの不安を気付ける様に頑張りますからだからなんでも言って下さい」

辰己「言いたいこと全て栄吾に言われちゃたね。俺達は何があってもAから離れたりしない、もしそう思えなくなったら言って、俺達はちゃんと受け止めるから」

Aは今までそんな事なかった為辰己達が自分のことを思ってくれることに理解できなかった。

貴「どうして皆はそんなに私を思って元気付けてくれるの？、ねぇどうして？、教えてくれなきゃ分からないの」

卯川「Aが大切だからに決まってるでしょ！、それ位分かってよね！」

卯川が照れながらそう言うと丁度授業開始のチャイムが鳴った。

虎石「そういやぁさっき予鈴鳴ってたわ！」

卯川「ヤバいじゃん！、早く行こう！」

貴「大切？、大切かぁ(私ちゃんと仲間なんだなぁ)」

辰己「A？、行くよ？」

戌峰「A－！」

貴「ぁ・・・うん！」

Aは五人の後ろ姿ではなく自分を迎える辰己達の姿に思わず泣きそうになったがお礼を込めて笑顔を浮かべた。