猫禄話 ページ9
「太宰、これから向かう件の依頼は憶えているだろうな」
「紫色のゾウリムシ退治。」
ゾウリムシ退治って、、。
治さんの云う事に半ば呆れる。
国木田さんも同じだったようで。
「先刻から薄々思っていたが、お前態と云ってるだろ？」
「あはは。あれでしょ？――――――『幽霊屋敷調査』」
笑顔でサラリと云う治さんに国木田さんが顔を顰める。
『幽霊屋敷調査』か・・・。
その言葉に少なからず恐怖を覚える。
・・・こういうのは不得意だ。
でも、何より不気味なのが、"依頼人の名が無い"こと。
だから私達は依頼人捜しからやろうとしてるんだって。
「ひょっとして、依頼人も怨める悪霊だったりして。
それで騙された私達探偵を、幽霊屋敷で待ち構えてパックリひと吞みに――――」
その言葉にまたゾッとしたけど、よくよく考えれば
「愚か者め。幽霊が電子書面を出すなどと云う怪談が世に在るものか。」
国木田さんの言葉に同意する。
こんな話していると、いつの間にか赤茶けた煉瓦造の倉庫の前にいた。
小さめの倉庫に足を踏み入れる。
国木田さんが呼び鈴を鳴らした。
「入ンな」
中から声がした。
コンピュータのたくさんある部屋だった。
机上に四枚ある液晶版に、それぞれ個別の画面が青白く光る。
少年はそこにいた。
散切り頭に大きい目。
白い
躰は小さいが、眼光は鋭い。
国木田さんと少年が云いあいをする。
「理想と計画に生きる、それが大人だ。見習え少年」
「うん・・・国木田君のキャラは大体判ったけど、今のはちょっとアレだよね…」
苦笑交じりに云う治さん。
「あれ？新顔。誰？・・・と、猫。」
「やあ。名乗っても勿論良いのだけれど、次に国木田君が云う台詞があるから無理。」
「少年、人に名を尋ねる前には自ら名乗るべきだ。
あと太宰、許可なく俺の言動を先読みするな。」
「眼鏡はつくづく『べき』って言葉が好きだな…まァいいや。
己等は田口六蔵。十四歳。
職業は電網潜士」
「探偵社に
六蔵少年の自己紹介に丁寧に注釈を加える国木田さん。
私は治さんに抱かれたまま欠伸をした。
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あも(プロフ) - 雛烏さん» 返信遅れてゴメン…。有難う御座います！ (2016年10月18日 10時) (
レス) id: 4818e71010 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - 緋翠さん» 有難う御座います！ (2016年10月18日 10時) (レス) id: 4818e71010 (このIDを非表示/違反報告)
雛烏 - やっとみれたよー!!頑張ってください!! (2016年7月28日 12時) (レス) id: 336d109612 (このIDを非表示/違反報告)
緋翠 - 面白かったです (2016年7月17日 3時) (レス) id: e994cc83cd (このIDを非表示/違反報告)
konoha(プロフ) - あもさん» 参加して下さりありがとうございます!見に来ました〜!これからも更新頑張って下さい!応援しています! (2016年6月5日 17時) (レス) id: 48215daa06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あも | 作者ホームページ：
作成日時：2016年5月23日 21時
