名探偵夫人【文スト】

八 ページ9

「ふう・・・たくさん買ってしまいました・・・」

お買い物の帰り道。つい、色々と買ってしまいました。だって安いんですもの！

「・・・あら？」

いつもの帰り道。
川沿いを歩いていると、そこには白い髪の少年が居ました。

綺麗な色の髪・・・

じっと見ていると、少年が川へ飛び込みました。

「えぇっ！？」

真逆、入水・・・・！？

けれど、どうやら違ったようで、少年はすぐに川から誰かを運んで出てきました。

善かった。と、安心していると、もう一人の男性が起き上がりました。彼の人、何処かで見たような気が・・・・？

気になったので、近付いてみます。
乱歩様には、あまり怪しい人物には近づかぬよう、云われていますが・・・


「あの、」

「え？な、なんですか？」

「おや、美人さんだ。」

「大丈夫・・・でしたか？その、一部始終を見ていて・・・」

そう伝えると、見覚えのある男性の方が私の手を取り云いました。

「美しいばかりではなくこんなにもお優しい方とは・・・！是非、私と心中を・・・」

「えぇと・・・申し訳ありませんが、私には旦那様がおりまして・・・」

「・・・そうですか。それは残念。」

「申し訳ありません・・・。」

「あの、貴女が謝る必要は無いと思うんですけど・・・」

「そうですか？」

(この人・・・・天然なのかなぁ？)




「あの、私までご馳走になっても宜しいのですか・・・？」

「ええ。この国木田君が奢ってくれますから。」

「太宰ぃ！！」

「矢張り、自分の分は自分で払いますので・・・」

「国木田くーん？」

「いや、その、此処は俺が払います。大丈夫です。」

「ありがとうございます・・・えぇと、国木田、様？」

そう云うと、国木田様は少しだけ、哀しそうな苦しそうな表情をされました。

それはそうと、この国木田様も何処かで見たような気がいたします。一体何処で・・・？

そんなことを考えておりますと、太宰様と中島様が虎を捕まえにいくことになったようで、私は国木田様とお仲間をお呼びに行くことになったのですが、そこには・・・

「A・・・！？」

「乱歩様？」

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