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相手の急所に拳を思い切り当てる。大概の人間はその1発で気を失うのがほとんどで、最悪の場合は死に至らせることだってできる。
2つ目のフロアでその鍛え抜いた身体自体を使い異国人を倒す岩本照はどこか清々しさを感じるような表情をしていた。

このまま今日は能力を使わずに済むのではないかと少しだけ期待しながらその拳を振るう。毎度毎度綺麗にクリーンヒットするものだから隣で笑いながら銃を撃ちまくる仲間の佐久間大介が楽しそうな声を上げた。

佐久間「deux今日も調子いいねー!!」

岩本「quatreもほぼ外してねぇだろ」

佐久間「あったりまえじゃん俺の事なめんなよ!」

岩本「舐めてねぇよ」

向こう側から飛んでくる銃弾はいい具合に岩本には当たらずに岩本越し異国人に命中する。その目は岩本と同じく爛々と輝いていた。

しかし、好調だったのもつかの間、異国人がそろそろやばいと思ったのか複数人で一気に襲いかかってきた。さすがにその行動は2人も予測が着いているわけが無い。

嫌々岩本が両手の指なし手袋を取った。それを見た佐久間は履いていた靴を脱ぎ、同じように手袋も取る。

2人の視線が交わる。岩本が床に手を這わせ佐久間は足を踏ん張らせた。

佐久間「せーのっ!」

その声で佐久間は足裏から炎を放出しその火力で宙に浮いた。そのまま手からも炎を出してアクロバティックに宙を舞う。その炎はしっかりと異国人にダメージを与えていた。

一方の岩本はバチンと大きな音とともに床に電気を一気に放って床の上に立つ異国人のほとんどを感電させた。

どちらも先程のような清々しい表情は消え、悲しいような顔をしたまま攻撃を続けた。

顔や肺を炎で焼く。全身に電気を流す。

その行為がどれだけ苦しいものなのか彼等は知っているのだから別の意味で彼等も痛みを感じていた。

しばらくして異国人がみな動かなくなった。

佐久間は落下するように地面に身体をうちつけ、岩本は床に座り込む。すぐにイヤモニから呆れの混じった阿部の声が聞こえた

阿部「…2人ともやりすぎ。戻ってこれる?」

岩本「俺腕やった、痺れてる。多分quatreは手も足も火傷してる。戻れなさそう」

佐久間「阿部ちゃんごめんねー」

阿部「あぁほらquatre弱ってる。だから使いすぎるなって…」

岩本「分かってるよ。とりあえず後でcinqに治してもらうから」

阿部「…了解」


____
・岩本照
異能力:体内での電流生成と両手からの放出

・佐久間大介
異能力:四肢からの火炎放出

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作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:ふゆ | 作成日時:2020年8月4日 22時

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