【A3!】誰かの1番になりたい。

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至side



何かあるな、直感的にそう思った


不可解な行動、似つかわしくない会話、さっき来た監督さんからのLIME



『Aと喧嘩しちゃってそのまま外に…見かけたら連絡ください。お願いします。』



こんなLIME、何かあったのかと思うのは不思議じゃないだろ？




「ふふ、じゃあ何処行きます？」

「俺の行きたいところ行っていい？」

「良いですよ、至さんなら良いトコ選んでくれそう」

「じゃあ」



俺はにっこり笑ってAの細い両手の手首を握る


予想通り、Aは顔を顰め「は？」と呟く




「寮、行こっか」

「！！そこなら行かない」

「我が儘言うなって」

「……アンタらからしたら我が儘かもしれないけど、私は違う。私は本気なの」




そう言うとAは拘束を解こうと抵抗する


はあ、なんだこのか弱い力。
最初から手足細長いしか弱そうとは思ってたけど、まさかここまでとは…




「俺みたいなクソオタクにも負ける力なんだから、大人しくしてて」

「やめてってば！」

「そんなAを夜ん中置いてけるわけないだろ」




Aの目を見てそう言うと、抵抗する力が弱まった。

そのまま連れて行こうとすると、先程とは違く抵抗することは無かった



相手が真剣に話してる、って分かると大人しくなるんだから…



変な子だな
俺は小さく溜め息をつくと、Aと一緒に寮へと帰って行った

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