第三話 物音 ページ4
その日の夜。
この事を誰に相談していいのかわからず、俺はとりあえずインターネットで調べてみることにした。
ポルターガイスト、幽霊、幻聴……
どれも違う気がする。
――一体あれはなんだったんだ？
どんどん画面をスクロールしていく。
そしてひとつ、気になるものを見つけた。
「座敷童子……？」
なんと読むのだろう。
クリックしてみる。
どうやらそれは、ざしきわらし、と読むらしい。
いたずらが大好きで、よく人を困らせるという。
小さい子供の妖怪？精霊？ おかっぱの浴衣姿で――
ガタンｯ！
後ろで物音がした。
恐る恐る振り返る。
しかしそこには何もない。
あるのは棚とか、家具だけだ。
背筋が寒くなるのを感じる。
でも正体を知るチャンスだ。
ただ、それが同一のものかわからないけれど。
「……よし」
ゆっくり近づいてみる。
音のした方へ。
――ゴトンｯ！
「〜〜っ！」
また音がする。棚の後ろからだ。
声にならない叫びをあげる。
泣きたい、逃げ出したい。
でも正体がわからないともっと怖いし……。
本当に幽霊なら、お祓いしてもらわないといけない。
一歩、また一歩と進む勇気出たが、
そもそも、俺にそんなの見えるのか？
声が聞こえるからといって、見えるかどうかはわからない。
もし見えなかったら……
――余計に怖い!!!
ガタガタと震えながら棚の後ろを覗けば、
「うぅ〜、痛い」
――頭を痛そうに押さえた女の子がいた。
腰まであろう、漆黒の髪。
どうみても俺と年は変わらないのに、子供用の浴衣を着ている。
半ば、無理やりに。
袖は桃色で身頃は黄色。帯は赤。袖と身頃は切り離されていた。
最近、こんな服装のバーチャルアイドルが流行っていたような……。
しかしこれは幽霊なのか、妖怪なのか……。
じっくり見ていると彼女は顔を上げ、その黒い瞳が、
俺を捕らえた。
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作者名：冬夕暮紗夜 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年5月31日 11時
