【妖恋物語:鬼編】人じゃない君に恋をした。【狩屋マサキ】 (ページ46)

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第肆拾参話ページ46

「そーいえば、夜美ちゃんは部活なににするの？」

人生初のお昼ご飯の途中、唐突に葵に聞かれた。

「ぶかつ？」

そういえば、学校の人間はぶかつというものに入るとマサキが言っていたな。

「うん。私たちはサッカー部なんだけど」

――さっかー？

頭に？マークが浮かぶ。

こういうときは素直に聞こう。

「さっかーとは？」

「え、夜美はサッカー知らないの!?」

天馬にとてつもなく大きな声で言われ、少しビクッとした。

そんな大きな声出されてもわからないものはわからない。だから、

「知らない」

とだけ答えた。

変に言い訳をしても怪しまれるだけだろう。

「そうなんだ……。サッカーって面白いんだ！」

「そうなのか」

「そう例えば――」

天馬はキラキラしたした目で語りだした。

「あーあ、また始まったよ。天馬くんのサッカーの話」

マサキが呆れた様子で言った。

「また？」

「サッカーバカなんだよ。天馬くんは」

「ふーん」

さっかー馬鹿なのか。天馬は。

「――じゃあ放課後見学に来てよ！サッカー教えるからさ！」

ばーんと、天馬が提案する。

ちらりとマサキの方を見る。

『来たら？』

と口パクで言っている。

「わかった。行くよ」

「放課後、一緒にいこう♪」

葵が言った。

「ああ」

――楽しみだ。

「さようなら」

挨拶とともに人が散らばって行く。

「夜美ちゃん、行こ！」

葵が私の机へやって来た。

「ああ」

葵に手を引かれ、そのさっかー？部のあるところへ向かった。

「ここが、サッカー棟だよ！」

「ここが……」

"体育館"と呼ばれる建物よりも大きい。

「少し、大きすぎやしないか？」

「雷門はサッカー部に力を入れてるからね。他の学校よりは大袈裟かも」

「へぇ……」

さっかー、恐るべし。

そんなに凄い部なのか……？

「それより中に入るよ」

また手を引かれ、サッカー棟の中に入った。