【妖恋物語:鬼編】人じゃない君に恋をした。【狩屋マサキ】 (ページ24)

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第弐拾弐話ページ24

「ならさて、何について語ろうか……マサキはどんな話が聞きたいか要望はあるか？」

Aは嬉しいのか、少し声が弾んでいる。

俺、Aが喜ぶようなこと言ったっけ？

怒られそうなことは言ったけど。

もちろん、それは自覚済みだけど。

でも今日はあんまり発言していないハズ……まあ、いいや。

「じゃあさ、"悪魔さん"の話がいい」

話してくれるかどうかはわからないが、素直に頼んでみる。

――昨日のAの話を聞いて考えれば、"悪魔さん"は式別名だ。

きっと元は"全く別のもの"なんだろう。

深夜考えてたてた、俺の仮説は次の通りだ。

『"悪魔さん"はAに利用されていた。そして、Aは本当は全く別の存在』

なら、"悪魔さん"はAと一番関わりが深いものだと思う。

俺は"本当の悪魔さん"を知らない。

まずAを知るなら、利用された"悪魔さん"を知るべきだ。

っていう考えで聞いたのに、

「マサキは怖いのが苦手じゃなかったか？」

言われたくないことを口に出して言われてしまった。

さっきの仕返しのようにニヤニヤしている。

「何で知ってるんだよ……」

知られたくないことだったのに。

言われたくないことだったのに。

俺とAはまだ会って２日もたってないハズ。

普通わかるのか？そんなの。

「いや、初めて会ったとき、話しかけたら一瞬ビクッとしていたからな。しかも少し怖がっていたし、ビビっていた。私ではなくとも、誰がみてもあれは怖いのが嫌いなやつだとわかるぞ。だからあの時は帰れと言ったんだ」

――どうやらAにはお見通しだったようだ。

「……」

何も言えない。

完敗だ。

参りました。

「図星な感じだな？まあ、いい。"悪魔さん"の話、な……」

Aは懐かしむような目で静かに語りだした。

「マサキがその言葉の真意を理解してそう言っているのかどうかは知らないが」