第９話 金色の ページ10
「すいません。待っていただいて」
ケーキ屋さんからの帰り道。
剣城さんは私を待っていてくれた。
私を家まで送ってくれるらしい。
とても紳士的だなと思う。
でも病院の面会時間、大丈夫だろうか……？
「ああいえ、ケーキ選んでもらったんで。それに、日が落ちると危ないですし。えっと……」
剣城さんの言葉がつまる。
そういえば私の名前を教えていなかった。
「山鳥Aです！ Aって呼んでください」
山鳥、と呼ばれるのは嫌いだった。
ただ何となく。
「Aさん……はどうして昨日病院にいたんですか？ 誰かのお見舞いですか？」
あー、嫌なこと聞かれた。
「……いえ、月に１度の検査だったんです。私、体が小さい頃から弱くて、激しい運動も控えるよう言われてて」
素直に言うことにした。
別に黙ってたら治るわけじゃないし。
「……すいません」
部が悪そうに言う剣城さん。
――謝られた!?
理由がわからない。
「何で謝るんですか!? 別にいいんですよそんなの。そりゃちょっと不自由ですけれど、剣城さんが謝るとこないですよ!!」
謝られたことのない私はおろおろしてしまう。
「……治らないんですか」
そう呟いた。悲しげな、金色の瞳。
「……治りません。原因不明ってやつです」
あははーと笑う。
それが私だもの。
「じゃあ、学校は？」
通っているんですか？
その目はまだ悲しげで。
「激しい運動さえしなければ通ってもいいんですけどねー。怖くて行けてません」
本当は、通いたいんだけど。
「……そう、ですか」
――ねぇ、どうしてそんなに悲しそうなの？
私の話なのに。
貴方には関係のない話なのに。
どうして、泣きそうな顔をしているの？
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冬夕暮紗夜(プロフ) - 京夜さん» 同じ好みの方がいらっしゃって嬉しいです！ ありがとうございます！ 12月までは中々更新できませんががんばります！ (2014年11月24日 15時) (
レス) id: f596d484e0 (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 妖怪モノで、剣城くん･･･！めちゃくちゃピンポイントで好みです(笑)それ抜きにしても、とっても面白い作品です！頑張ってくださいね！！ (2014年11月24日 9時) (レス) id: 7c163a60cf (このIDを非表示/違反報告)
冬夕暮紗夜(プロフ) - はるはるっ！さん» ありがとうございます！嬉しいです(*´∇｀*) がんばります！ (2014年9月25日 19時) (レス) id: f596d484e0 (このIDを非表示/違反報告)
はるはるっ！(プロフ) - 曖昧な感じがいい！ 続き楽しみにしてます！ (2014年9月25日 3時) (レス) id: 8a50046673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬夕暮紗夜 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年3月28日 23時
