第１９話 暇 ページ20
「今日は大人しく寝ときや」
と月夜さんに言われたので、只今お布団の中にいます。
「……暇だ」
部屋にある本はすべて読んだ、覚えてしまった。
正直、１人というのはすることがない。
かといって月夜さんに相手をしてもらうのは申し訳ない。
――うーん、どうしようかなぁ。
起きたばかりであまり眠たくもないし。
勉強しようにも、学校の先生が送ってくれた教材やプリントも既に終わらせてしまっていた。
今日は日曜日だから、新しいプリントはもらえない。
本屋に行けば新しい本や問題集を買いに行けるのだが……む？
本屋？ そうか！
「本屋に行こう」
さっき月夜さんには大人しく寝てろと言われたが、暇過ぎるのだから仕方がない。
「……よし」
音をたてないように、ゆっくり、素早く外行きの服に着替える。
――部屋を抜け出すのは慣れている。
いつも通り作戦決行！
布団の中にぬいぐるみや服を置いて、私が寝ている風にしておく。
近くに来られるとバレてしまうが、遠くから様子を見るだけなら大丈夫だろう。
それから月夜さんに会わないように忍び足で玄関へ向かう。
靴を取ってからまた自分の部屋に戻る。
「ふぅ……」
第一関門突破。
後はこの部屋から庭に出て、そのまま玄関へ回って木戸を通るだけ。
幸い、月夜さんの部屋は玄関からの距離が私の部屋より遠いので、月夜さんが月夜さんの部屋に居るならバレることはない。
問題は月夜さんが茶の間にいるかもしれないということ。
私の部屋から玄関へまわると必ず茶の間を横切らなければ行けない。
さっきは障子が閉まっていたから大丈夫だったが、庭側はガラス障子になっているため茶の間からこちらが丸見えになってしまうのである。
もしそこに月夜さんがいたら……。
――強制お布団へGO(監視つき)だよね。
それは避けたい。
私はなるべく姿勢を低くして茶の間を横切る。
――そぉっと、そぉっと。
そしてその姿勢のまま玄関へ向かい、木戸を開けて外へ。すぐに左に隠れて、
「脱出！」
せーこぅー！
――勝利の雄叫び！
やったー！
これで本屋に行ける！
この時私は久しぶりに脱出が成功した喜びのあまり、周りを気にしていなかった。だから、
「Aさん……？」
だから、後ろに彼がいたことなんて気がつかなかったのだ。
「つ、剣城くん!?」
どーしてここに!?
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冬夕暮紗夜(プロフ) - 京夜さん» 同じ好みの方がいらっしゃって嬉しいです！ ありがとうございます！ 12月までは中々更新できませんががんばります！ (2014年11月24日 15時) (
レス) id: f596d484e0 (このIDを非表示/違反報告)
京夜(プロフ) - 妖怪モノで、剣城くん･･･！めちゃくちゃピンポイントで好みです(笑)それ抜きにしても、とっても面白い作品です！頑張ってくださいね！！ (2014年11月24日 9時) (レス) id: 7c163a60cf (このIDを非表示/違反報告)
冬夕暮紗夜(プロフ) - はるはるっ！さん» ありがとうございます！嬉しいです(*´∇｀*) がんばります！ (2014年9月25日 19時) (レス) id: f596d484e0 (このIDを非表示/違反報告)
はるはるっ！(プロフ) - 曖昧な感じがいい！ 続き楽しみにしてます！ (2014年9月25日 3時) (レス) id: 8a50046673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬夕暮紗夜 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年3月28日 23時
