廊下にて ？side ページ29
？side
「今日も疲れた…ここのところ、休んでなかったっけ。」
そっとペンを置いた。
書類と向き合う生活が、ずっと染み付いていたせいか、身体への負担や疲労が半端なく辛く感じていた。
書類が一区切りついたので、今日も二階にある休憩スペースへ行き、自動販売機で珈琲でも買って休もうと歩いていた。
すると
向かいからこちらへ歩いてきた女性。
彼女は下を向いて何かを考え込んでいるようで、こちらが呼びかけるまでこちらの存在に気づかなかった。
『…どうも、転校生です？』
「うん。存じてるよ。」
“あの”転校生だからね。
彼女は笑みを浮かべながら、僕を見つめていた。
ゆっくりと口を開いたのは、彼女だった。
『…疲れてない？』
「…え？」
それは、心配する言葉。
『顔色があまりよろしくないみたいだから。
…医務室行った方がいいんじゃないかな？』
彼女の言いたいことはよくわかる。
確かに最初に言った通り、身体が悲鳴を上げている状態にはなっている。
なのにわざわざ遠回りしてまで休憩を取っているのは…
「……」
『はい。それじゃあ行こうか。』
「…え？(二回目)」
話が飛躍し過ぎていて頭が追いついていない。
二回目となる「え？」と言葉を発したのと同時に、目の前の彼女は僕の手を引っ張って歩き始める。
「え、ちょ…」
『無理はしちゃダメだよ。』
「…」
あまり、疲れなどを外見には出していない。心配されるのがオチだ。
…あの医務室、行きたくないんだけどなぁ。
「(仕方がない…か。)」
彼女の気持ちを、無下には出来ないしなぁ…
いや
出来るわけ、ない。
＿はい。無理しちゃダメだよー。＿
君は昔から、人のことをよく見てて、よく医務室に連行する。
忘れてなんかない。
残念。
僕は…ちゃんと覚えているよ。
A。
会いたかった。
彼女が腕を引っ張ってくれて良かった。
後ろにいて良かった。
僕は綻びそうになる頬を、抑えることができなかったから。
兄さんside end
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ＳＡＫＵＲＡ(プロフ) - クロさん» ありがとうございます！これからも精進していきますので、宜しくお願いします！！ (2019年9月1日 15時) (
レス) id: 5913c38cb0 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - この小説面白くてとても好きです!更新頑張ってください! (2019年8月24日 0時) (レス) id: 742d7b4b1c (このIDを非表示/違反報告)
ＳＡＫＵＲＡ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます！ そういったコメントは励みになるのでとてもうれしいです！ これからもよろしくお願いします！ (2019年8月16日 22時) (レス) id: 5913c38cb0 (このIDを非表示/違反報告)
東雲 - 前作の完璧と欠落から読んでいるのですが、繊細に書かれた文章がとても好きです。これからも楽しみにしています。 (2019年8月12日 1時) (レス) id: 8215f90de7 (このIDを非表示/違反報告)
ＳＡＫＵＲＡ(プロフ) - 歌い手総推し！さん» ありがとうございます！返信遅れて申し訳ありません！ (2019年7月27日 21時) (レス) id: 5913c38cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＳＡＫＵＲＡ | 作成日時：2019年4月14日 10時
