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桃side
流星の家のドアはパスワード式。番号は知っているから深呼吸して静かに中に入る。俺が行くことはシゲが流星に連絡してくれたみたいやけど、大丈夫かな。
そっとドアを開けるとリビングの電気がついてる。足を踏み入れると流星はソファーの座面に突っ伏していて、体調悪くて動けないのかと思って慌てて肩に触れて声をかける。
「流星!」
「……っ」
「流星、流星わかるか?」
「あ、れ……のぞむ」
「どうした?どこ辛い?熱あんな…ほら熱はかろ」
「のぞむ……なんで?」
「え?……あ」
俺が現れたことにびっくりしてるような流星。そりゃそうやんな、具合悪くて寝てたら、ずーっと連絡してなくて嫌われてるって思ってた奴がいきなり来て矢継ぎ早に何か言うてるんやもん、びっくりするわ。
「あ、その…夕飯まだやろ?コンビニのやけどすぐあっためるから!えと、流星は…熱はかっとき!」
「あ、まって」
気まずくなって慌てて立ち上がろうとしたら細い指に手首を掴まれた。
「……流星?」
「…望、ごめん」
「ごめんって何が?」
「病気になって、ごめん…」
「それは流星が悪いんとちゃうやろ?」
「でも、そのせいで、望嫌な思いしたやろ?嫌いになったんやろ?」
「……」
「ごめんなさい……ごめんっ……会ったらあやまりたかってん……」
「……」
「絶対元気になるから……元に戻るから、だからっ……」
「流星」
「親友やないなんて……言わんといて…っ」
思わず言葉に詰まった。
病気で苦しんでる流星、ただでさえ原因が分からなくて突然の自分自身の変化に戸惑って怯えてるのは流星の方や。
なのに、俺、自分のことしか考えてなくて……ほんまに……ダメなやつやん。
流星の目から涙か溢れたのを見た時、たまらなくなって思わずギューッと抱きしめた。
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ナツメ(プロフ) - mayuさん» コメントありがとうございます。大変嬉しいです^_^私も青さんが療養してるところは自分で書いておいてめちゃくちゃ性癖です笑 他の作品も頑張りますのでまたよろしくお願いします。 (2018年11月15日 8時) (レス) id: 67a69ff4bd (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。完結おめでとうございます。ナツメさんの作品は一つ一つが丁寧に描かれていてなおかつ更新も早くお話の展開もとても面白くて、まさに私の好きな病系そのものです。今回の流星君の話も弱っているシーンはドンピシャでした。新作も楽しみです! (2018年11月14日 22時) (レス) id: f93234e159 (このIDを非表示/違反報告)
ナツメ(プロフ) - しらたまさん» 読んでくださってありがとうございます!励みになります。今後ともよろしくお願いします! (2018年11月6日 17時) (レス) id: 67a69ff4bd (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - これからの展開がとっても気になります!!更新頑張ってください応援してます(*'▽') (2018年10月30日 13時) (レス) id: 04ec2ee818 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツメ | 作成日時:2018年10月22日 13時