2.At a tavern ページ4
ぺけラン従業員行きつけの居酒屋は、やはり週末と言うこともあってか、いつもより多くの人で賑わっていた。休暇の前夜祭ですもんね。そりゃみんな、ぐうたらしたいわよ。
愛想のいい店員さんが「お好きな席へどうぞー!」とご多忙ながらもこちらに声を掛けてくれ、私達は店内奥のお座敷に座るとメニューを開いた。
「何食べますー?」
「オレ唐揚げと生ビール。場地も飲むだろ?」
「おう、軟骨な」
「普通と軟骨唐揚げひとつずつと、生ビール二つですね。千冬先輩はどうしますか?」
「ラーメンで。Aはどーすんの」
「うーん、迷い中……」
久しぶりだし、何食べようか全然決めてなかった。私もラーメンにしよっかなぁ。
居酒屋にしては、このお店は普通にガッツリ食べられる物も置いてくれてるから種類も豊富で目移りしてしまう。
逡巡の末に明日のことも考え、お腹に優しいお粥を頼むことにして、注文を終えた。
「それにしても、Aがバイクか」
場地先輩が、ポツリと言う。
「乗るなら何がいっスかね」
「ホンダのレブルとかは?」
「女子が乗るんだから、もーちょいシャキッとしたのが良んじゃね?エストレアとか」
「あー、いいですね!」
「あの、まだ免許取るかすらも決めてないです」
わいわいと男子トークを始めた3人に苦笑いをしていると、一虎先輩から俺らの知り合いにバイク屋いっから紹介してやるよと満面の笑みで言われた。話を聞け!
「っていうか、先輩三人して、なんでそんなにバイクに詳しいんですか」
「バイクはヤンキーのロマンだろ」
「先輩、ヤンキーじゃないでしょ」
頭のてっぺんから足の爪先まで、ばりっばりの一般人じゃん。一虎先輩とか一瞬女の人に見える容姿してるし、喧嘩しなさそう。
「それは、“今”の話だろ」
「へ?」
一虎先輩の言葉の意味が分からず、「どういうことですか?」と聞き返すと、千冬先輩が代わりに答えた。
「オレら元暴走族だよ」
あっさりと言われた事実に、つかの間理解が追いつかなかった。多分、この間の私は傍から見たら文字通り目が点になっていただろう。
先輩達が、元暴走族?
(暴走族って、いこーるヤンキー……?)
言葉のピースが脳内変換された途端、「えぇえええっ!!」と腹の底から驚愕の声がせり上がった。
「先輩って、ヤンキーだったんですかぁ!?」
「ばか声がデケェよ!」
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ふゆう(プロフ) - つのさん» コメレスめっっっちゃくちゃ遅くなってすみません!!コメントすごく嬉しかったので3話程更新させていただきました!!暫くリベ夢から離れてしまっていたんですが、ちまちま更新しようと思うのでまたよかったら読んでやってください☺️ (2022年5月2日 23時) (レス) id: 05ce7d3c5e (このIDを非表示/違反報告)
つの(プロフ) - パレット・デイズってもう更新しませんか?めちゃくちゃ好きでもう一度読んだのですが続きがすごく読みたいです。お願いします! (2022年1月15日 0時) (レス) @page18 id: 3069a38d25 (このIDを非表示/違反報告)
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