○加藤side○ ページ8
まっすーが手越に上着を持って来た。隣だから聞こえたんだけど、やっぱりあいつ体調悪かったんだ。
普段絶対に弱音を吐かない手越がそんなことを言うなんてよっぽどだ。
心配だ。心配だけど、俺らは最後に歌わなくちゃいけない。
俺とか小山ならまだカバーしてもらえるかもしれないけど、手越となるとソロも多いから大変だ。
しかも手越は口パクとかは絶対にしたくないといつも言っている。どんなに喉の調子が悪くても口パクはしたことはないはずだ。記憶の限りでは。
司会「じゃあ最後にNEWSの皆さん、よろしくお願いします」
いよいよ、歌う時が来てしまった。
手越は上着を脱いで座っていた椅子においた。
まっすーが、手越の背中に手を当てて何かを話しかけている。
大丈夫かとか、パートの振り分けの話かな、と思っていたら小山が話そうとしているところだった。
小「聞いてください、NEWSで」
NEWS「恋を知らない君へ」
歌い出しは順調、手越はいつもより小さいけど上手く歌っていた。
問題はそこからだった。
手「夏が舞…ゴホッ！ケホッケホッゲホッ！！」
増「すみません止めてください！」
スタジオがざわめく。観ていたファンの子たちはとても不安そうに手越を見ていた。
手越はまだ苦しそうに胸に手を当てて咳き込み、涙をためていた。
でもそれは、苦しいからだけじゃないはずだ。
スタッフさんたちが水を持って来てくださったり、まっすーや小山に背中をさすってもらって手越はだんだん落ち着いて来た。その間俺はただ事の成り行きを見守っていた。
なんで体が動かないんだろう。自分を責めてしまう。
手「ごめんなさい！本当にごめんなさい！」
手越は必死で頭を下げた。
司会「手越、体調悪いの？大丈夫か？」
手「いや…ちょっとむせちゃったんですよ！すみません！」
こんなときでも手越は強がろうとする。
司会「ちょっとむせちゃっただけには見えなかったけど…手越が言うなら歌だけ撮り直そう」
手「ありがとうございます…！」
手越は頭を下げて辛そうに目を瞑った。
本当に、きつそうな、倒れそうな顔色だった。
手「子猫ちゃんたちごめんね！次はちゃんと歌うから」
人形のような瞳だった。感情が感じられなかった。
そして、俺らは歌い始めた…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわり(プロフ) - みるふぃ〜ゆ苺さん» 本当にありがとうございます！はい、頑張りましょう♪ (2017年4月1日 22時) (
レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃ〜ゆ苺(プロフ) - ふわりさん» 大好きですよ！この作品！こっちも見ていただけているなんて、とっても嬉しいです！お互い頑張りましょう！ (2017年3月31日 23時) (レス) id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - みるふぃ〜ゆ苺さん» わー本当だ！逆に指摘していただいてありがとうございます！修正します。好きな作品と言っていただけて嬉しいです！すごくやる気出ました笑ここで言うことじゃないと思いますが、いつも作品読ませていただいているので余計に嬉しいです！本当にありがとうございました！ (2017年3月31日 22時) (レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃ〜ゆ苺(プロフ) - あぁーおしい！！話さなかった:離さなかったですよね？漢字違います！好きな作品なので、ついつい漢字は完璧であって欲しくて！図々しい事言ってすいません！ (2017年3月31日 18時) (レス) id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - Mahoさん» いきなりすみません！今更なんですけどいつも作品読ませていただいてます！涙腺が崩壊するんですよねー、Mahoさんの作品。本当今更ですみません、お互い頑張りましょう！ (2017年3月27日 10時) (レス) id: c582c8dc51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわり | 作成日時：2017年3月14日 16時
