24時間テレビーNEWSー

○加藤side○ ページ22

まっすーが手越をおんぶしてスタジオから出て行った。


まっすーにおんぶされたとき隙間から見えた手越の顔は青白くてぎゅっと目を瞑っていた。


辛いんだろうな。しかも手越が立つこともままならないなんてどんなにしんどいことだろう。


さっきも俺がいじられてたとき、いっつも手越が声を上げて爆笑するのに口を弱々しく開けて歯を見せる程度だった。手越が笑顔を作れない。それはいよいよやばいってことなんだろう。


小「おーいシゲー！戻ってこーい」


加「えっ！？嘘俺起きてたよね？」


小「起きてたけど魂がどっか行ってた笑」


共演者の方が笑う。生放送中だった。やべぇ忘れてた。俺こそ集中、超元気なんだから。


少しコメントしてちらちらと手越たちが出て行った方を伺ってしばらくしてから2人は戻ってきた。


手越…ちょっと目潤んでる？気のせい？熱のせい？いやでも、熱のせいだとしたらさっきまでは何だった？


悩んでいるともう番組の終わり、俺たちが明日の番宣をするときになっていた。


その場で静かに立ち上がると俺たちの方にカメラが向いた。


手越も立っているけど、笑ってもいるけど、小山とまっすーに倒れないようしっかりと挟まれている。


司会「じゃあ明日の24時間テレビに向けて小山くんから一言ずつお願いします」


小「はい。もし立ち止まってしまったとしても、ちょっとまわりより進むのが遅くたって、何度でも挑戦出来るんだってことを伝えられるようにしたいと思うので応援よろしくお願いします」


そう、これは俺らが、


「加藤くん」


加「はい。みなさんにずっと続いて行く今日を、今を一生懸命生きる勇気が湧いてくるように笑顔を届けます」


アイドルとしてはちょっと駄目だとはわかってるけど、まぁファンの方になら通じてくれるはずの言葉を、


「増田くん」


増「苦しくてもその先に何かがあるように…例えば涙が頬を伝ったなら悲しみはそれで終わらないと伝えたいです」


手越へと伝える為に考えて考えて考え抜いた言葉。


本当は24時間テレビで言いたかったけど、時間の関係もあるし、なにより今言っておきたかった。


手越はびっくりしたように俺らを見ていた。


「手越くん」


手「…やり抜きたいです、フルスイングで！」


弱々しいけど笑顔の手越を見て安心した。


そのまま色々宣伝していただいてカメラが止まると同時に手越は俺らに倒れこみ、俺らも手越を抱きしめた。


すみません切ります！

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