24時間テレビーNEWSー

▽増田side▽ ページ40

やっぱり。


迷惑だと思って無理して歩いてたんだな、手越。


俺らが何年の付き合いでどんな想いでNEWSをやってきてるのかちゃんとわかってるはずだ。それなのに、自分が辛いときメンバーが迷惑だなんて思わないってことは…。わかんないんだな。


増「小山ー。早く開けてよぉ〜」


わざと明るく言う。俺の背中で、手越がへへっと笑った。


笑った。


良かった。それだけなのに、滅茶苦茶嬉しい。


小「待ってよー。ごめんねてごにゃんもうちょっと待ってねー寒いねー」


手「だ…いじょぶ…」


多分大丈夫じゃないくらい寒いんだろう、背中にいる手越は少し震えている。


小「はい開いた。どうぞ」


NEWSー小山、手越「お邪魔しまーす」


小「はーい」


手「お、じゃま…し…ますっ」


小「はぁい」


小山はにこっと笑って手越の頭を撫でた。


加「よし。じゃあ荷物置いてまた集合！」


NEWSー手越、加藤「おー！」


病院に行くなんて知らない手越はきょとんとしてえ？と呟いた。


手「ま…す…？お…ろし…て？ご…め、ね…」


増「あぁ、じゃあここおろすから横になっとけ。てかお前鼻声じゃない？鼻水も出だした？」


手「そ…かな…？」


手越をそっとおろして取り敢えず小山のところに行こうとすると何かに引っ張られて止まってしまった。


振り返ると手越が涙目になっていた。


手「ま…す…どこ…いく、の…？ここ…に…いて…ぎゅ…てして…」


はぁはぁと呼吸がはやくなっていく。涙もどんどん溢れていった。


手「やぁだっ…やだっ…どっか…いったらっ…やだっ…！」


増「わかった！どこにも行かないよ。だから泣かないで。な？熱上がったら今も明日もしんどいから。ごめんね」


泣きじゃくる手越の頭を撫でていると荷物をまとめた小山とシゲが戻ってきた。


小「何まっすー手越泣かせたの！？」


加「いや違うだろ、まっすー何があった？」


小山はかなり慌ててシゲは冷静に手越の背中をさすった。


増「俺がどっか行っちゃうと思ったみたい」


手越は俺の服をぎゅっと掴んだ。


手「ま…す…」


増「ん？どうした？」


手「しんどいっ…」


手越の心の叫びだ、本心だ、と思った。シンプルで複雑な言葉だった。なにも修飾されていないからかその言葉は本当に「しんどい」のだと強調されていた。


増「…うん、しんどいな」


そのまま手越は、泣き止むまで俺の腕を離さなかった。

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