24時間テレビーNEWSー

手越side ページ11

ごめんなさい。


歌もまともに歌えなくて、いつも通り馬鹿みたいに沢山喋らなくて。


ごめんなさい。


明日から…今からでも頑張るから…だから、置いて行かないで。


あぁ…慶ちゃん、シゲ…。まっすーも…。俺…頑張るから。そんな冷たい目で笑わないで。


俺…。


手「…っ…！」


夢、だった。


増「…手越…？どうした！？具合悪い？吐く？頭痛い？お腹痛い？」


一気に言うから、慶ちゃんとシゲも振り返った。


小「…手越…？」


加「…手越、どうしたんだよ…なんかあったのか？」


全然大丈夫だよ？そう言おうとするとか温かいものが頰を伝った。


手「…え…？」


そうか。俺は…


手「泣いてたんだ…」


増「そうだよ？泣いてたよ…なんか嫌なことでもあったの？」


小「手越…どうしたんだよ…？」


何ともないよ？そう言ったはずだった。


手「…俺…頑張るから…3人よりも、沢山沢山全力で走るから…遅くても…立ち止まっても…置いていかないで…」


怖い。初めてそう思った。



増「…っ…！置いて行く訳ないじゃん…！だって手越は…俺の…俺らの…」


まっすーは何か言っていたけど、俺はそのまま意識が途切れた。


次に目が覚めたのは、俺の家だった。ソファで眠っていた。


きっとマネージャーが寝かせてくれたんだろう。後でお礼を言わないと。


誰もいないのを見て、やっぱり置いていかれたんだ、と思った。あんなことを言われて、迷惑に決まってる。もうすぐ24時間テレビで団結力を深めなきゃいけないこんなときにみんなを戸惑わせた。


俺の家なんだから、いないのは…当たり前なのに、こんなにも不安になる。


手「…はぁっ…寒っ…」


すごく寒くてすごく気持ち悪くてすごくだるくて誰かの温もりを感じたかった。


助けて、誰か。


このまま消えちゃいそうだよ。


本当はすごく具合が悪かった。言わなくてごめん。うつっててもごめん。本当ごめん。沢山ごめん。


具合悪いって…そんなことも素直になれない…。


俺はまた、そのまま意識を飛ばした。

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