【TH】僕の恋人さん (ページ12)

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引き金ページ12

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仕事が終わって直行でAの家に行った。

それで、あの場面に戻るのだが。

手を合わせて謝るAに

気にしないで、と言ったけど。

｢…それは何に対してのごめん？｣

『…え？』

｢俺に介抱させてしまったっていうごめん？

まあ何かあった時そうするつもりでAの家で待ってたしそれはいいよ｣

何が何だか分からない顔をしてるA。

…泥酔してたし覚えてないか。

｢A昨日、上司におぶられて帰ってきたんだよ｣

『、え！？』

｢事前にお酒弱いって言ってたんだよね。
無理矢理飲まされたの？｣

『…あー、うん。
直属の上司だったから断りきれなくて、』

｢他に誰に触られたの？｣

『え、』

｢それ以外にも居たでしょ、男｣

締め付けられる心臓にむせ返りそうになる。

仕方ない。分かってるよ。

会社との付き合いだし。

これから先異性との関わりなんて絶たない。

それは俺も同じ、だけど。

たまに、放っておいたら
どこか行ってしまうんじゃないかって不安になる。

どれだけ強く握り締めても
するりと指の間からすり抜けて消えてしまいそうで。

『…ほんとごめんね？

もう行かないようにする。
次からはちゃんと断るね、』

俺のそばにいて。

俺の知らないうちにどっか行かないでよ。

それが、俺がAを異常に縛る引き金になった気がする。