拭いきれない ページ11
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「…え」
「あ、彼氏さんですか?
Aちゃん潰れちゃって。
お酒弱いの知らなくて無理させちゃった、ごめん」
「…いえ大丈夫、かは分かんないですけど。
この子から事前にお酒飲めないって
聞いてなかったですか?」
「……あー、言ってたかも」
「…そうですか、」
普段イライラする事なんて滅多にないのに
その日は凄く腹が立って
でもAと上司の関係を悪くする訳にもいかない。
無理矢理話を切り上げるように礼を言って
そのままAを受け取った。
あの人がAにずっと触れてたって考えると
いても立っても居られなかった
「…A、立てる?」
『…うん、』
気分悪そうにしてるAをトイレまで連れていき
顔色良くなるまで吐かせた。
そっからお風呂にも入れた。
_____胸がざわつく。
飲み会の場に男何人いたの?
喋ったのはあの人だけ?
誰にどこでどんな風に酔わされた?
誰かに何かされなかった?
渦巻いた感情はふつふつと自分の心に黒い靄がかかって、汚く滲んでいく。
Aの酔いが覚めるまで
質問攻めしたい気持ちを抑えて介抱した。
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__________『ほんと、ごめん!』
結局その日はAにつられて俺も寝てた。
気付いたら朝で、Aに布団を掛け直し
朝飲むための水を用意して仕事に向かった。
"今日仕事終わったら家行く。体調大丈夫?"
マネージャーの運転する車に揺られながらカトクを送り
未だに拭いきれない複雑な感情に呑まれる。
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ぼらとっき。 - 完結おめでとうございます〜!!作者様の作品はいつも楽しく読ませていただいています!番外編楽しみに待ってます♪ (2021年1月25日 20時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年1月14日 8時