お互いに ページ30
.
彼に触れる頬が熱い。
息ができない。
身体が石みたいに動かない。
｢…欲しくなっちゃう｣
喉から絞り出すような声。
私から離れた大きくて綺麗な手は力が抜けるように地面に落ちて。
さっきより耳を赤くして、困った顔して笑った。
オッパになら、触れられることなんて何回もあるのに。
オッパとはまた違う渦巻いた感情。
それが何か、私にはまだ分からなくて。
『なにが、？』
｢…声に出てた？｣
『うん。欲しい、って』
｢……そんな可愛い顔しないで、今｣
『…また言った』
｢言われるのやだ？｣
『やじゃないけど、…困るよ』
｢俺だっていっぱいAに困らされてるよ｣
これからももっと困らせてね、と目を細めて微笑んだ。
私、いつの間にそんな困らせることしてたんだろう。
『え、どんな？』
｢うーん、今とか｣
『え！？言ってよ！ごめん何した？』
｢そういうとこ｣
…また分かんない。
彼の言葉が欠けすぎているのか、
私の理解力が悪すぎるのか。
それともハナから理解させる気なんてないのか。
はっと時計を見るといつの間にか短い針は9を指していて。
『あ、ごめん長居しちゃった、！今日は帰るね！』
｢ほんとだ。気をつけてね｣
『隣だから大丈夫だよ』
そう言ってるのに私と一緒にウチのドアの前まで着いてくるテヒョンさんに手を振った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1057人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てこ(プロフ) - ふるはさん» わわ！ありがとうございます！！(;_;)最後まで楽しんで頂けたら幸いです！ (2021年1月14日 10時) (
レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
ふるは(プロフ) - 初めまして。ハラハラドキドキしながら読ませて頂いてます。テテさんと今後どうなるのか楽しみでありながらグクさんとの今後も気になります。 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 02dfd44ebf (このIDを非表示/違反報告)
てこ(プロフ) - kannaさん» こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます！ｆ^^*)キュンキュンして頂けるよう頑張りますね(^^♪ (2021年1月5日 16時) (レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
kanna - いつも楽しみにしてます( ´ ▽ ` )楽しい一時を作って下さってありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2021年1月5日 11時) (レス) id: c6dd1df907 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時：2021年1月2日 22時
