【JK】ひと夏の泡沫

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……え？どういう事？

思ったことがそのまま口に出る。





『それってつまり、？』

「あー、なんか変な言い方しちゃったけど」

『うん』

「好きな人、がいるんだけど。」

『……』

「初恋の人でさ、まだ仲良くもなんともない。でもいつか告白したいんだ」

『…それで？』

「もし付き合えたら、いつかソウイウこともするでしょ？」

『そういう事？』

「うん。ソウイウこと」






…と言いますと？

回りくどい言い方のせいでまだ論点に辿り着いてないんだけど。

何故かその先を言いづらそうに口をもごもごさせる彼にもう一度聞く。





「人苦手だし付き合った事もないし、何にも知らないからさ」

「俺に色んなこと、教えて」






いや、そんな可愛らしく言われても。

私の理解力が乏しいのか、この子が説明下手なのか。

私がジョングク君に恋人らしいことを教えてあげたらいいってこと？

…でも恋愛マスターになれるほど経験豊富じゃないんだけど。






『セ フレになるってこと？』

「そんないやな言い方したくない」

『普通だと思うけど』

「えー、なんかやだ」

『でもそういう意味じゃない？』







私も最近彼氏と別れたばっかりだし、その寂しさを埋めれるくらいにはなりそう。

お互いに都合良い関係みたいな？
恩人をセ フレにするってなんか不思議。






「んー、だめ」

『じゃあ何』

「別に関係に名前とか無くていいよ」

『そう？』

「うん。まあ、いつか名前がついたらいいね」







そう優しくはにかんだ。

名前を付けないのは彼なりの優しさ？
それとも特別なものしたくないだけの残酷さ？

よく分からないけど、彼がそう言うならそれでいい。



本当なら今日でさっぱりお別れだったのが、ちょっと長く関わることになっただけ。

友達でも恋人でも何でもない。



名前の無い私たちの関係は都合が良くて楽だけど、良くも悪くも空っぽだ。

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