【JK】ひと夏の泡沫

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…あ、そっか。やっぱり私、自惚れてた。

誰よりもジョングクのそばにいたような気になって、勝手にジョングクのこと好きになって、

叶わないことに気付いて怖くなって逃げて、それでも離れてくれないジョングクに心のどこかで勘違いしてた。




ずっと、ジョングクにとって私は
ただの"代わり"に過ぎないのに。





テヒョンと付き合ってジョングクから離れようとして、こうやって自分勝手なことを言うジョングクのこと、悪者にしてた。




最初から私たちの間に
綺麗な繋がりなんてどこにもなかったのにね。









だからジョングクはあの日

"他人"の私を選んだんだ。



お互いの利害なんてそっちのけにして
多少雑に扱っても、全てが終わってしまえば未練も寂しさも残らない。

ジョングクが望んでいたのはそんな関係の、私。






いつか私たちは0に戻る。



… なら今は1以上なのかと聞かれてしまえば、自信を持って首を縦には振れないけれど。





この関係が始まった時から、ジョングクと出会った時から、そういう前提だったじゃんか。






なのに馬鹿みたいに恋して、逃げたりして。






いや、ちっとも逃げれてなんかない。


今、『いやだ』とこの手を振り払えてない時点で、もうどうしようも無いところまで来てしまってる。




私がジョングクの言うことに拒否しないことを最初から分かっていたみたいに、ジョングクが私の前髪をどかして額にキスを落とした。







「ヌナ、言ったでしょ。ヌナのこと愛してるって」

『…っ』

「ヒョンと幸せになりたいなら、はやく俺から離れないとね」

『…ジョングク、』

「俺はAが他人だなんて思ってないよ。
…最初からずっと、俺の大切な人。」

『っ離して、』

「だから、離して欲しいなら俺の恋路を手伝ってって言ってるじゃん」

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