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夏が過ぎて、秋がやってきた。
日が暮れるとちょっと肌寒いくらいの丁度いい季節になり
夏は暑さのせいでテヒョンと家に引きこもりっぱなしだったけれど、ここ最近は夜に散歩したり飲みに行ったり、大学生らしい事をしてる気がする。
同じ講義を取っていた友達と3限目の授業の講義室へ行き、後ろ側の席に座ってだらだら話している授業開始5分前。
「この授業、話聞いてばっかだから眠いよね」
という友達の言葉にこれでもかと頷いていれば。
たまたま視線を向けた先
前の扉から見知った姿が現れた。
…あ、どうしよう。
目が合う前にさっと視線をそらして友達の方に顔を向ける。
…こんな時に限ってなんでこんなに人少ないの。
人混みならまだしも、こんなにガラガラだったら隠れようもない。
別にバレたところで向こうが私に何かアクションを起こしてくるという訳ではないけど、とにかく私の存在を知られたくない。
どうかこっちを見ないで。
バレませんように。
切に願ってそちら側から顔を背けて友達の話に耳を傾けていると、
「A!」
今一番聞きたくなかった声がした。
私の願いなんて露知らず
私に向けて「やっほ」とふわりと微笑んだジョングクは、何事もなく此方に歩いてきてまさかの私の前の席に座ったのだ。
「え、、?知り合い?」
横から飛んでくる質問。
…うん、そりゃこうなる。
今までずっと友達にとって私とジョングクは他人だったのだから。
いや、他人だったよ。紛れもなく。
戸惑う私を差し置いてにこにこ微笑んでいるジョングクは後ろを振り返り「はい」と平然と頷いた。
「え、うそ、何で?」
大学でカッコイイと有名なジョングク。
ずっとジョングクと話してみたいらしかった友達は嬉しそうにいつもより高い声で聞いてくる。
…ジョングク。本当に、どういうつもりなの。
あの日身勝手に抱かれてから、もう話すこともないと思ってたのに。
これからは裏表なく、本当に赤の他人に戻るのかと思っていた。と思いきや、当の本人は戸惑う私とは裏腹に至って普通な態度。
…いや、状況は全く普通じゃないんだよな。
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chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…!更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります!!下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー!とも思ったり…( ; ; )これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください!!! (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください! (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています!これからも更新頑張ってください! (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます! (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年8月10日 22時