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カフェを出て、コンクリートの階段を降りて砂浜へ辿り着いた。
転けないようにと差し伸べられたテヒョンの手を握って波打ち際に向かう。
『わあ、青い』
視界の中が真っ青だ。
雲ひとつないスカイブルーとどこまでも続く海水。
小さな悩みが全て消えてなくなる。
打ち寄せては引いていく波の音が鼓膜を静かに揺らした。
「Aにお礼するつもりだったのにおれがしたい事しちゃった」
『気にしないで。わたしも海行きたかったから嬉しいよ』
「それなら良かったけど、」
波際を沿うように歩く。
真夏の太陽が暑くて今にも溶けてしまいそうだけど、波風の音が涼しさを感じさせてくれる。
ほら、風鈴の音とかって聞くだけで涼しい気分になるじゃん。そんな感じ。
「帰りたくなくなっちゃうな」
『またいつでも来れるでしょ』
「じゃあ次も一緒に見に行ってくれる？」
それは勿論、いいけど、。
返事をするより先に服のポケットの中がぶるぶると震えた。
同士に着信音が鳴りだし、スマホを抜き取る。
ジョングクからの電話だった。
こんな時に何、。今日は予定あるって言ったのに。
このまま無視しようとするけれど、馬鹿正直に胸が高鳴ってる自分に呆れてしまう。
「……ねえ、ジョングクって」
『、え？』
その名前がテヒョンの口から出たことにドキリとした。わたしの着信画面に映し出されている「ジョングク」の名前。
見られてしまった。
じわりと身体を伝ういやな焦燥感。
「あ、いや。おれの知り合いに同じ名前の奴がいるから」
『そ、なんだ』
「出る？」
普通なら出ないって言って切るべきなのに。
身勝手な感情が邪魔して口ごもる。
「もしかして好きな人？」
未だ繋がれている手に微かに力が加わった。
『……うん、ごめん』
テヒョンから離れて通話ボタンを押す。
……が、それは叶うことなく。
気付けばテヒョンの手によって遮られていた。
ぐい、と握られた手を強く引かれる。
テヒョンが拒否ボタンを押して、着信音が消えた。
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chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (
レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…！更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります！！下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー！とも思ったり…（ ; ; ）これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください！！！ (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください！ (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます！ (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時：2021年8月10日 22時
