【JK】ひと夏の泡沫

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テヒョンと海に行く日である今日。

テヒョンが来る1時間半前に起きて
最近買った余所行きの服を身に纏う。


化粧やらヘアセットやらしてるとあっという間に待ち合わせの時間になってしまって、最後に新しく買ったピアスを付けたところで丁度テヒョンから電話が来た。





「もしもし。着いたよ」

『今出る！』

「わかった」





靴を履きながら電話を切るとスマホのロック画面に切り替わり、ジョングクからカトクの通知がきていた事に気付く。





"今日ひま？"

"うちくる？"





今日は、予定ある、と。
時間もないからささっと一言返事を返して家を出た。

家の前に一台の車が止まっている。

運転席にテヒョンがいて、私を見つけて微笑んだ後窓が開いた。






『お待たせ』

「おはよう、隣おいで」






車の前を通って助手席に乗り込む。

テヒョンの方を向くと目が合って、おはようと微笑むと片眉をぴくりと動かしたテヒョンは不完全な笑顔を見せた。



運転席に座るテヒョンはなぜだかいつもと少し違って見えた。








「お昼食べた？」

『ううんまだ』

「おれも。丁度海辺に新しいカフェできたみたいだから行こう」






私たちが住む街よりも割と遠いところに海がある。
下道だと時間が掛かるから、と高速道路に入った。


横にはテヒョンの綺麗な横顔。
テヒョンの助手席とか女の子が一番羨ましがる場所じゃない？
テヒョンの事好きな女子たちに怒られちゃいそうだな。






テヒョンとは中学が同じで、高校が離れて大学でまた再会した。

中学の頃から女子から大人気だったテヒョンは今となっても女の子からの視線を集める。

テヒョンと同じ学部でよく一緒にいるから、隣を歩くとすれ違う女の子たちにじろじろ見られているのがよく分かる。

テヒョンはいつも気にしてなさそうだから気付いてるのかすら分かんないけれど。


高速を降りて数分走るとすぐ目の前に海が見えた。

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