【JK】ひと夏の泡沫

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3限目の授業を終えて、今日はお互いこの授業だけで終わりだったからそのまま帰路に着く。


案の定テヒョンから質問攻めを喰らう事になってしまった。



ジョングクの名前さえ出さなければバレないと思って大体答えた。

年下とか同じ大学とか、電車で出会ったとか。

流石に「体だけの関係」って事までは言わなかったけど。




「で、その子とは順調なの？」

『……ぜんぜん』

「へえ」

『もう既に失恋してる』

「もう！？」



告白もしてないのに？



そう、告白もしてないのに。
ていうか出会った時から既に恋愛対象に入れてないから。





「……いいの？おれと海行って」

『なんで？』

「おれだと意味無くない？」




何の意味？恋愛と友達は別物だからいいでしょ。
ジョングクと付き合ってる訳じゃないんだし。




『テヒョンは友達だもん』

「まあそうだね」




空のてっぺんから差していた真夏の太陽は
いつしか見上げなくてもいいくらいに傾いていた。




『海はテヒョンと行きたいの』

「なら他は？」

『他？』

「海以外はおれじゃだめ？」





突然そんな聞き方をされて言葉が詰まる。

そういう訳じゃない。
"海は"なんていい方したのがいけなかった。

それに、いつにも増して真剣な顔をするから戸惑ってしまう。






「ふふ。うそ、冗談」

『ごめん、そういう事じゃない』

「分かってるって」





首の後ろを掻きながらふ、と笑う。

私が申し訳なさそうにしているのを見てまた笑いながら
「冗談だってば」って手を横に振った。





「本気にしないでよ、分かってるから」

『…ならいいけど』

「うんって言われても連れ出すから大丈夫」




それはそれで何が大丈夫なのか。





「友達だからいいよね」

『ふふ、うん』

「ていうか今週じゃん。海」

『あ、そうだね』

「Aんちの前まで行くね」

『ほんと？ありがとう』






そんな会話をして、テヒョンよりも2駅はやい最寄り駅に着く。

テヒョンに手を振って電車を降りた。

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