13 ページ13
.
…そういえば、ジョングク好きな人いたんだっけ。
私たちの関係が始まったのも「ジョングクの好きな人の代わりになる」という理由だった。
つまり、私がジョングクに「恋人らしいこと」を教えるってこと。
『ジョングクの好きな人ってどんな子なの?』
そういえば聞いたこと無かった。
同じ大学の子なのかな。
「別に知らなくていいよ」
『え〜気になる』
「そんな事より、Aが教えてよ」
腕が解けて、私の隣に来る。
沈んだソファのスプリングが僅かに軋んだ。
何か教師と生徒の設定でよくあるビデオを見てる気分。
ジョングクの膝の上に乗って、抱きしめてみる。
暫くすると背中に腕が回ってきた。
『こういうのとか好きだと思うよ』
「ハグ?」
『逃げられない感じの』
「ふうん。他には?」
ふわりと笑みを浮かべた。
私たちの間に流れる雰囲気が少しずつ甘くなっていく。
『…ほっぺたに触れて』
「うん」
『キス、して』
「うん」
私の言う事に従順に動いてくれる。
逆に言えば、私が言わないと動いてくれない。
言葉にするのが恥ずかしくて答えられないでいるとA、と耳元で呼ばれた。
『な、に』
「他には?」
『…他、』
「どんな事教えてくれるの?」
あと数センチで触れる唇。
もどかしくて、そわそわする。
『…押し倒して、』
「うん」
『もう一回キスして』
「ん、」
『服の上、から、』
して欲しいと思ってる事が言えない。
でも、言わないとしてもらえない。
だけど触れて欲しい。
「言わなきゃしてあげられないよ」
む、と睨みつけると「物欲しそうな顔」と意地の悪い顔で笑われた。
もっとして欲しい。生憎欲には逆らえなくて、羞恥心を剥いでジョングクに求める。ゆっくり、優しい手つきで触れてくる。少し物足りないのが余計に良くて、頭がくらくらした。
『……はやく、いれて』
「どこに?」
『ここ、』
「ここじゃ分かんないよ、ちゃんと教えてくれないと」
「何をいれるの」
泣きそうになるのを堪えて、必死に言葉にする。
いやらしい私。自分が情けなくなる。
はあ、と吐き出された吐息。十分大きくなったそれに、彼も興奮している事が分かる。
ゆっくりと、私の中に沈んでいく。
1610人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…!更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります!!下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー!とも思ったり…( ; ; )これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください!!! (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください! (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています!これからも更新頑張ってください! (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます! (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年8月10日 22時