11 ページ11
.
「え、？」
びっくりしてる友達にブンブンと音がなりそうな勢いで顔を横に振る。
私この人知らないよ、っていう意味を込めて。
「えっと…」
「忙しいから、ごめんね」
私とジョングクを交互に見るさっきの女子3人組。
暫しの沈黙の後、気まずそうにどこかへ行ってしまった。
…ちょっと、どういうつもり？
ぱっと手が離れた。
「すみません。いきなり話しかけてしまって」
『へ、』
「知らない人に絡まれたので助かりました」
ありがとうございます、と私に深く頭を下げたジョングク。
他人のままなのはいつも通り。
『いえ…』
「じゃあ僕はこれで」
口角を上げて微笑んだジョングクは、何も無かったようにそのまま反対方向へ歩いていった。
「知り合い？」
『ち、違うよ』
「びっくりした、ドキドキしちゃった」
…本当だよ。悪い意味でドキドキした。
人前でジョングクと話すの初めてだったし。
所詮は名前の無い関係。
私たちの繋がりは誰も知らない。
…ていうか何で私？
助けたのはいいけど他の人でも良かったのでは。
友達と別れた電車の中。
「さっきはありがと」
未読中のメッセージに追加で送られてきた返事。
『ばか』
「目に入ったからつい」
別にそこまでして私たちの関係を隠したい訳じゃないんだけど、知られたところで何て説明したらいいのか分からない。
友達と言えるほど仲良くないし、何か特別な繋がりがある訳でもない。
適当に流せばいいだけの話なのかもしれないけど
変な勘繰りされたり面倒な事にならないから他人のふりをしたままの方が楽じゃない？っていう。
「どんな反応するかなって」
一応私年上だよね？
完全にジョングクに遊ばれてる気がするんだけど？
会ったばっかりの頃はあんなに恥ずかしがり屋で大人しかったのに、いつの間にかめちゃくちゃ生意気になってる。
わざと既読スルーすると何個かスタンプが返ってきた後、
「可愛かったです、ヌナ」
ヌナとか敬語とか、普段ひとつも言わない癖に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1610人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chi134340(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。終わってしまって寂しい気持ちもあって複雑…。またてこさんのお話を楽しみにしています。 (2021年9月11日 12時) (
レス) id: fae26ba036 (このIDを非表示/違反報告)
JK1223(プロフ) - このお話大好きです…！更新されているとめちゃくちゃテンションが上がります！！下の方のようにテヒョンとうまくいって欲しいと思う反面…グクとグズグズになれーー！とも思ったり…（ ; ; ）これからも応援してます(*^_^*)頑張ってください！！！ (2021年8月31日 22時) (レス) id: f8bf9f9746 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - どうかテヒョンを好きになってそのままでいてください！ (2021年8月23日 3時) (レス) id: a67dcb29eb (このIDを非表示/違反報告)
えま - もはや切ない。。とっても面白くてハマっています！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月18日 10時) (レス) id: d6d16a0d4e (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - すごくハマってしまい、Twitterで写真付きでみて、占つくで読み返して噛み締めるという事をしてます笑笑更新楽しみにしてます！ (2021年8月17日 15時) (レス) id: 8165b878e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時：2021年8月10日 22時
