【JK】ひと夏の泡沫

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大学2年生の夏を迎えた。



蝉がちらほらと鳴き始めた頃、まだこの季節はこれからだというのに暑さの本領発揮しすぎてもう既に生きていけそうにない。



一人暮らしの小さなアパート。

流石に我慢の限界がきて、罪悪感に襲われながらもクーラーのリモコンを握ってボタンを押した。






まだ効き始めの冷たい風に当たりながら、適当にスマホを触る。


洗濯とか洗い物とか課題とか
やらなきゃいけない事は沢山あるのに暑くて動けない。

なんて暑さのせいにしてるけど、ただ何もかもだるいだけ。

大学に通いはしてるけど、大した夢もないしこれからどうするかとかも何も考えてない。






額に滲んだ汗が頬を伝って、その濡れた跡を冷風が通り過ぎていく。

コップの中の氷がカランと音を鳴らして、部屋の中に消えた。





『もしもし、』

「今どこ？」

『…家だけど』

「ふうん」

『何？』

「今向かってるとこ」







耳に当てた電話の向こうからそんな言葉が聞こえて

え、？と一瞬静止したところでピンポーン、と無機質な機械音が響いた。


…嘘でしょ。


こんな時間に私に用がある人なんて限られてるし、さっきの電話からしてもう察しはついてる。もはや察ししかついてない。



二度目のチャイムが鳴って渋々ドアを開けると、「遅い」とちょっと不服そうに眉を顰めたジョングクがいた。

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