朝焼けと君 ページ5
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黒いチューリップハットを深く被り
マスクと眼鏡で顔を覆ったジミン君。
「ごめんねいきなり泊まっちゃって。ありがとう」
『いえいえそんな。二日酔いしてない?』
「ふふ、うん平気だよ」
ついでに二日酔いの薬を手渡せば
「わ、いいの?ありがとう」
嬉しそうにしてズボンのポケットに入れた。
私も出来るだけ顔を隠し後を追って外まで見送ろうとすると
「大丈夫だよ、まだ眠たいでしょ?」
と立ち止まって私の方に振り向く。
朝日が照っているのに外の空気は肌寒い。
朝6時半。
帽子の影から見える半月のような目が私を捉えて
ぽん、と頭に大きな手が乗った。
『朝早いのは得意だから』
「そっか。羨ましいな」
『慣れてるだけだよ』
「僕はいつまで経っても慣れないもん」
アパートの階段を降りながらふわあ、と大きな欠伸をした。そんな姿さえも様になってる。
私の家にいたジミン君は私の知ってる"友達"のジミン君だったのに少し仕事モードが入った彼を見ると"芸能人"という感じ。
なんだか新鮮というか、テレビで見るパクジミンが現実にいるというよく分からない感情。
どうでもいいような会話をしながら近くのタクシーを停めた。
早朝だからか街にはまだ人が全然見当たらない。
今から出勤の会社員のような人がぱらぱらいるくらい。
「行ってくる。ありがとう」
『ううんこちらこそ』
「呼んでくれたらまたすぐ会いに来るよ」
『呼んでなくても来る癖に』
「お、よく分かってるね」
はは、と高く笑った彼に今度こそ手を振ってタクシーのドアを閉め、見えなくなるまで見送った。
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ひ - 月が綺麗ですね。白目剥きました。チェゴ (2022年5月16日 12時) (レス) @page49 id: 79678d8172 (このIDを非表示/違反報告)
おけ(プロフ) - このお話好きすぎて寝ないで一気に読みました‼︎他のお話やおまけもぜひ読みたいです‼︎ (2022年2月13日 4時) (レス) @page50 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - とっても素敵なお話で一気に読み切ってしまいました。。この作品と作者さんのファンになりました(//Ü//)Twitterフォローさせていただきました、おまけもぜひ読ませていただきたいです! (2021年6月28日 18時) (レス) id: e9098fc564 (このIDを非表示/違反報告)
りなぴ(プロフ) - てこさんの描くテヒョンさんが本当に大好きです、とても素敵なお話でした!おまけも楽しみにしております!! (2021年6月22日 8時) (レス) id: 16fceb5abc (このIDを非表示/違反報告)
てこ(プロフ) - hanalieさん» コメントありがとうございます(^^)いくつかお話載せる予定なのでいつでも見に来て下さい♪ (2021年6月21日 0時) (レス) id: 2cb880cbb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/huumi0000/
作成日時:2021年4月6日 0時